和歌山県南部の目撃情報教えて コウノトリの会が呼び掛け
国の特別天然記念物コウノトリの放鳥が始まって15年。今では国内の野外に約220羽が生息するようになり、近年は和歌山県紀南地方で見掛ける機会も増えている。ただ、目撃情報の共有がされておらず、保護活動を続ける日本コウノトリの会(事務局・兵庫県豊岡市)は「紀南での情報を寄せてほしい」と呼び掛けている。
コウノトリは全長1・1メートルほどで羽を広げると2メートル近くになる。江戸時代には全国各地で繁殖する一般的な野鳥だった。戦後、生息環境が悪化して1964年を最後にひなが見られなくなり、71年に野生のコウノトリが絶滅した。前後して、復活への取り組みが始まり、豊岡市を皮切りに飼育下からの放鳥が各地で行われるようになった。
しかし、生息環境は依然として厳しく、各地に安定した個体群ができるかは、これからの保護活動にかかっているという。絶滅危惧種で世界的にみても極東に2千羽余りしか生息していない。
コウノトリの会では、観察や普及啓発活動、水辺の環境づくり、人工巣塔の設置などをして国内での増殖の後押しをしている。
和歌山市で活動を続ける会員の土橋進さん(69)によると、日本海側から南下してくるコウノトリは紀伊半島沿岸を回り込んだ後、三重県から東海・関東方面に移動しているという。また、四国からのルートも和歌山市を経由していると推測。田辺・西牟婁には休憩のため飛来していると考えられ、ここ数年は毎年のように来ている。今年9月には白浜町と上富田町の農地で相次いで餌を探す姿が観察された。
コウノトリの会では、多くの住民が参加して情報を共有するウェブサイト「コウノトリ市民科学」を東京大学、中央大学と協力して稼働させた。
このサイトは、一般の人に調査員として登録してもらい、コウノトリの目撃情報を送ってもらうシステム。スマートフォンからも操作できる。
土橋さんは「このシステムを稼働して2年になるが一般に普及していない。特に一時的に飛来する地域からの情報が少なく、多くの人にこのシステムを活用してもらいたい」と話している。
詳しくは「日本コウノトリの会」のホームページへ。
◇
コウノトリの野生復帰 兵庫県が、旧ソ連から1985年に譲り受けた6羽をもとに、人工繁殖を重ねた。飼育数が100羽を超えた2002年から野生復帰に向けた具体的な取り組みが始まり、05年9月、5羽の放鳥に成功。07年7月には放鳥後初めて野外でひなの巣立ちを確認した。その後、千葉県や福井県でも放鳥され、各地の野外でひなが誕生している。
コウノトリは全長1・1メートルほどで羽を広げると2メートル近くになる。江戸時代には全国各地で繁殖する一般的な野鳥だった。戦後、生息環境が悪化して1964年を最後にひなが見られなくなり、71年に野生のコウノトリが絶滅した。前後して、復活への取り組みが始まり、豊岡市を皮切りに飼育下からの放鳥が各地で行われるようになった。
しかし、生息環境は依然として厳しく、各地に安定した個体群ができるかは、これからの保護活動にかかっているという。絶滅危惧種で世界的にみても極東に2千羽余りしか生息していない。
コウノトリの会では、観察や普及啓発活動、水辺の環境づくり、人工巣塔の設置などをして国内での増殖の後押しをしている。
和歌山市で活動を続ける会員の土橋進さん(69)によると、日本海側から南下してくるコウノトリは紀伊半島沿岸を回り込んだ後、三重県から東海・関東方面に移動しているという。また、四国からのルートも和歌山市を経由していると推測。田辺・西牟婁には休憩のため飛来していると考えられ、ここ数年は毎年のように来ている。今年9月には白浜町と上富田町の農地で相次いで餌を探す姿が観察された。
コウノトリの会では、多くの住民が参加して情報を共有するウェブサイト「コウノトリ市民科学」を東京大学、中央大学と協力して稼働させた。
このサイトは、一般の人に調査員として登録してもらい、コウノトリの目撃情報を送ってもらうシステム。スマートフォンからも操作できる。
土橋さんは「このシステムを稼働して2年になるが一般に普及していない。特に一時的に飛来する地域からの情報が少なく、多くの人にこのシステムを活用してもらいたい」と話している。
詳しくは「日本コウノトリの会」のホームページへ。
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コウノトリの野生復帰 兵庫県が、旧ソ連から1985年に譲り受けた6羽をもとに、人工繁殖を重ねた。飼育数が100羽を超えた2002年から野生復帰に向けた具体的な取り組みが始まり、05年9月、5羽の放鳥に成功。07年7月には放鳥後初めて野外でひなの巣立ちを確認した。その後、千葉県や福井県でも放鳥され、各地の野外でひなが誕生している。