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2025年04月25日(金)

【動画】湯登神事で開幕 15日まで熊野本宮大社の例大祭、和歌山県田辺市

湯登神事で湯の峰温泉に向けて熊野本宮大社を出発する稚児と父親ら(13日、和歌山県田辺市本宮町で)
湯登神事で湯の峰温泉に向けて熊野本宮大社を出発する稚児と父親ら(13日、和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社の例大祭「本宮祭」が13日、県指定無形民俗文化財「湯登(ゆのぼり)神事」で開幕した。雨のため、稚児を肩車しながらの熊野古道歩きは中止した。例大祭は15日まで営まれる。

 湯登神事では、神の依り代である稚児が父親らに肩車されるなどして本宮大社の本殿前を出発し、湯の峰温泉で身を清めた後、険しい熊野古道「大日越」を歩いて越える。

 この日は田辺市や上富田町、大阪府東大阪市、奈良県十津川村から2、3歳の男子と父親の7組が参加した。

 本宮大社の本殿前を出発した参加者は雨のためすぐにバスに乗り込み、湯の峰温泉にある老舗旅館「あづまや」に移動。温泉に入ったり、温泉がゆを食べたりして、本来は湯峯王子で行う「八撥(やさばき)神事」を旅館内で執り行った。大日越についても参加者の安全を考慮し、代表して神職と修験者、総代らの10人ほどで越えた。

 妻の実家が本宮町という東大阪市の会社員、百木野将英さん(33)は長男・聡ちゃん(2)と参加。「妻の母から誘われ、子どもの健やかな成長のためにと思い参加した。一緒に頑張りたい」と笑顔を見せた。

 長男・律希ちゃん(2)と参加した田辺市下万呂の公務員、中山弘登さん(29)は「大日越をしたかったので残念だが、例大祭ではまだ神事があるので、良い思い出ができれば」と意気込んだ。

 この日は夕方から稚児や神職、総代らの行列が町内を巡り、祭りの平穏無事を祈念する「宮渡(みやわたり)神事」があった。最終日の15日には「本殿祭」や「渡御祭」、旧社地・大斎原(おおゆのはら)での「斎庭神事」などが営まれる。