和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年04月09日(水)

「挑花」手作り大詰め 例大祭に向け、和歌山県田辺市の熊野本宮大社

熊野本宮大社の例大祭に向けて「挑花」を手作りする女性たち(3日、和歌山県田辺市本宮町で)
熊野本宮大社の例大祭に向けて「挑花」を手作りする女性たち(3日、和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社の例大祭「本宮祭」(13~15日)に向け、祭りを彩る「挑花(ちょうばな)」の制作が大詰めを迎えている。

 キクを模した「挑花」は直径15センチほどで、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災などを願う縁起物。主祭神が本宮に鎮座する際に「我を祭るに母神をも同じく祭れ」と言ったことから、母神を三重県熊野市にある花の窟(いわや)から迎え、花を奉じるなどして祭りをするようになったことが由来とされる。

 敬神婦人会の有志7人が昨年12月中旬から制作。赤、黄、白の3色の紙を型に合わせて切り、花びらになる部分を丸めて重ねるなどし、一つ一つ手作業で丁寧に作っており、今週中に約600本を仕上げる。

 敬神婦人会の笹野みよ子会長(75)は「皆さんの健康や幸せ、世界の平和を願いながら作っている。例大祭は良い天気になり、大勢に見に来てもらえたら」と話している。

 挑花は例大祭の協力者に贈るほか、15日午後1時からの「渡御祭」でみこしとともに旧社地・大斎原(おおゆのはら)へ渡った後、餅投げで赤色の餅を取った人にも授与される。