「共通巡礼」開始10年 田辺市街地も選択肢に、和歌山・熊野とサンティアゴ
世界遺産の「熊野古道」と「サンティアゴ巡礼道」(スペイン)との「共通巡礼手帳」の取り組みが、開始から10年を迎えた。これを機に和歌山県田辺市は、市街地にある世界遺産・闘雞神社や扇ケ浜潮垢離(しおごり)場、熊野古道大辺路などを巡るルートを条件達成の選択肢として新たに追加。世界各地からの「歩く観光客」をさらに増やしていきたいという。
共通巡礼手帳は、田辺市とスペイン・ガリシア州にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラ市との共同事業。両市はともに千年以上の歴史がある世界遺産の巡礼道を有する縁で、2014年に観光交流協定を結んだ。二つの巡礼道を訪れる人を増やそうと、15年2月から手帳を発行。それぞれの巡礼道で指定ルートのうちいずれか一つを踏破し、スタンプを集めた人を達成者として登録している。
熊野古道のこれまでの指定ルートは(1)滝尻王子から熊野本宮大社まで巡礼(2)熊野那智大社―本宮大社を巡礼(3)発心門王子から本宮大社まで巡礼するとともに、熊野速玉大社と那智大社に参詣(4)高野山から本宮大社まで巡礼―の四つだった。
さらに今年2月末から「扇ケ浜潮垢離場と闘雞神社のほか、大辺路ルートの2カ所以上を訪問するとともに、熊野三山を参詣する」ルートも追加。これに合わせ、扇ケ浜潮垢離場に新たにスタンプ台を設置した。
共通巡礼の達成者は、2月末時点で世界70カ国9117人。昨年は年間3272人で、過去最多だった。
国・地域別では日本が1783人で最も多く、米国1248人、台湾1155人と続く。
近年はアジアでの注目が高まっており、昨年に限って見ると1位が台湾(612人)、2位が米国(499人)、3位が中国(406人)だったという。
田辺市観光振興課の担当者は「熊野古道とサンティアゴは1万キロも離れているが、巡礼道を通じた交流が長く続いている。今回、条件達成の選択肢を広げることで、さらに多くの人に訪れてもらえれば」と話している。
共通巡礼手帳は、田辺市とスペイン・ガリシア州にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラ市との共同事業。両市はともに千年以上の歴史がある世界遺産の巡礼道を有する縁で、2014年に観光交流協定を結んだ。二つの巡礼道を訪れる人を増やそうと、15年2月から手帳を発行。それぞれの巡礼道で指定ルートのうちいずれか一つを踏破し、スタンプを集めた人を達成者として登録している。
熊野古道のこれまでの指定ルートは(1)滝尻王子から熊野本宮大社まで巡礼(2)熊野那智大社―本宮大社を巡礼(3)発心門王子から本宮大社まで巡礼するとともに、熊野速玉大社と那智大社に参詣(4)高野山から本宮大社まで巡礼―の四つだった。
さらに今年2月末から「扇ケ浜潮垢離場と闘雞神社のほか、大辺路ルートの2カ所以上を訪問するとともに、熊野三山を参詣する」ルートも追加。これに合わせ、扇ケ浜潮垢離場に新たにスタンプ台を設置した。
共通巡礼の達成者は、2月末時点で世界70カ国9117人。昨年は年間3272人で、過去最多だった。
国・地域別では日本が1783人で最も多く、米国1248人、台湾1155人と続く。
近年はアジアでの注目が高まっており、昨年に限って見ると1位が台湾(612人)、2位が米国(499人)、3位が中国(406人)だったという。
田辺市観光振興課の担当者は「熊野古道とサンティアゴは1万キロも離れているが、巡礼道を通じた交流が長く続いている。今回、条件達成の選択肢を広げることで、さらに多くの人に訪れてもらえれば」と話している。