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2025年03月23日(日)

「今年は期待したい」 小梅と南高梅が「上」、和歌山県田辺の稲荷神社かゆ占い

小豆がゆの入った竹筒を小刀で割る神社の総代ら(18日、和歌山県田辺市稲成町で)
小豆がゆの入った竹筒を小刀で割る神社の総代ら(18日、和歌山県田辺市稲成町で)
 和歌山県田辺市稲成町の伊作田稲荷神社(栗山展季宮司)で18日、竹筒を割って中に入った小豆がゆの量で農林水産物の豊凶を占う神事「かゆ占い」が営まれた。121種類を上中下の3段階に分け、小梅と南高梅は「上」、古城梅は「中」と出た。

 田辺市の無形民俗文化財に指定されている祭典。大きな釜に米1升と水8升、小豆400グラムを入れてまき火で煮立て、占う品種の番号を書いた竹筒(約10センチ)を一斉に入れかき混ぜた。

 神社の総代らが取り出した竹筒を小刀で割った後、栗山宮司が竹筒の中に入った小豆がゆの量で「上」「中」「下」を一つずつ判断した。

 占ったのは米や野菜、ミカンや魚など。米のあきたこまちや日本晴は「上」、ミカンの清見や晩生温州は「中」、野菜のピーマンやタマネギは「下」だった。

 稲成小学校の1、2年生51人も見学。訪れた観衆は「今年の梅はどうかな」「キャベツが『上』と出たので、畑で育ててみようかな」と占いの様子を見守っていた。

 近くに住む梅農家の60代女性は「南高梅が『上』なので、今年は期待したい。これからが楽しみだ」と笑顔で話していた。

 かゆ占いの後、魔よけや豊作を祈った「弓神事」や、餅まきもあり、にぎわった。