和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

【動画】4年ぶり「炎の竜」 勇壮に御燈祭り、和歌山の世界遺産・神倉神社

燃えさかるたいまつを持って駆け下る「上り子」たちによって「火の滝、下り竜」が現れた(6日午後7時51分、和歌山県新宮市で)=露出時間15秒
燃えさかるたいまつを持って駆け下る「上り子」たちによって「火の滝、下り竜」が現れた(6日午後7時51分、和歌山県新宮市で)=露出時間15秒
 世界遺産に登録されている和歌山県新宮市の熊野速玉大社の摂社・神倉神社で6日、国の重要無形民俗文化財である「御燈(おとう)祭り」が営まれた。コロナ禍のため通常通りの形で営むのは4年ぶり。たいまつを持った白装束の「上り子」約1400人が参加し、地元の民謡「新宮節」で「山は火の滝、下り竜」とうたわれる光景をつくり出した。

 この日は夕方から、538段あるとされる急峻(きゅうしゅん)な石段を上った先にある、神倉神社のご神体「ゴトビキ岩」付近に多くの上り子たちが集合。ゴトビキ岩のそばで御神火がおこされ、大たいまつにともされると大きな歓声が上がった。御神火は石段の途中にある中ノ地蔵まで下り、待っていた上り子に分けられた後、再び石段を上って全員に分け与えられ、辺り一面が火の海のようになった。

 午後8時前、いったん閉じられた山門が開け放たれると、最初に若者らが勢いよく駆け出し、続いて、子どもも含めた上り子たちが列になって下っていった。

 初めて参加したという堺市の油谷大輔さん(34)は「街が活気にあふれており感動した。また参加したい」と笑顔を見せた。