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2024年12月04日(水)

【動画】厳かに「田辺祭」 紀州三大祭りの一つ、4年ぶり通常開催

4年ぶりに通常開催で開幕した田辺祭(24日、和歌山県田辺市本町で)
4年ぶりに通常開催で開幕した田辺祭(24日、和歌山県田辺市本町で)
衣笠を組み立てる住民(23日、和歌山県田辺市紺屋町で)
衣笠を組み立てる住民(23日、和歌山県田辺市紺屋町で)
 和歌山県田辺市東陽の世界遺産・闘雞神社の例大祭「田辺祭」が24日始まった。晴天の下、笠鉾(かさほこ)や衣笠(きぬがさ)が4年ぶりに一堂に会し、市街地を巡行した。


 田辺祭は紀州三大祭りの一つとされ、400年以上の歴史がある。新型コロナウイルスの影響でこの3年は規模縮小を余儀なくされていた。

 4年ぶりの通常開催となったこの日は、みこしや馬などの一行が午前9時前に神社を出発。本町の旧会津橋近くに並んだ各地区の笠鉾などを追い越した後、江川漁港を目指した。漁港では「御旅所勤め」を営み、舞姫が舞を奉納した。

 笠鉾や衣笠は、江川の「住矢」を先頭に、本町、栄町、北新町、南新町、江川、福路町、片町の笠鉾8基と、紺屋町の衣笠1基が、市街地を巡行した。

 巡行は午後も続き、夕方に闘雞神社の参道に、夜には旧会津橋にひきそろう。25日の本祭では、神社で暁の祭典や流鏑馬(やぶさめ)式などが営まれる。

■衣笠組み立て 紺屋町

 祭りの開幕に先駆け、紺屋町は23日、衣笠を組み立て、町内を巡行した。同町は1889年の水害で笠鉾(かさほこ)を失い、1926年から笠鉾に替えて衣笠を出している。現在の衣笠は2006年に新調した。

 衣笠は高さ約2・8メートル、重さ約15キロで、衣笠の上にご神体のクロマツを飾る。張られた布には龍や八咫烏(やたがらす)が縫い込まれている。

 同町の祭典委員長を務める中村誠さん(60)は「4年ぶりの本番。暑い中ではあるが、滞りなくお勤めをさせていただく」と話していた。

 24、25日は、野球のさわかみ関西独立リーグに所属する「和歌山ウェイブス」の西河洋樹選手(29)と榎本隼人選手(24)が衣笠を持ち、笠鉾と共に市街地を巡行する予定。