和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月07日(火)

4年ぶりに奉納花火祭 みなべ町の鹿島神社、8月に

海面を染める花火(2019年8月、和歌山県みなべ町埴田で)
海面を染める花火(2019年8月、和歌山県みなべ町埴田で)
 和歌山県みなべ町埴田、鹿島神社の奉納花火祭が、8月1日に開かれる。コロナ禍で中止していたため4年ぶり。関係者は「伝統ある行事を久しぶりに開くことができる」と喜んでいる。

 宝永4(1707)年の大地震で津波が押し寄せた際、沖にある鹿島から怪火が現れて津波を東西に導いたことで、南部では被害が少なかったと伝えられる。その鹿島大明神の霊験に感謝し、翌年から海辺でたいまつやちょうちんを奉納するようになり、その後、花火の打ち上げが始まったとされる。太平洋戦争の頃には中止されたが、現在まで神事として続けられている。

 花火は当日午後8時ごろから、神社前の海岸で打ち上げる。早打ちや仕掛けなど約1600発が予定されている。供養花火もあり、申し込みを事前に受け付けている。

 このほか夕方から、氏子である九つの区(南道、千鹿浦、北道、栄町、東吉田、芝崎、埴田、片町、新町)の子どもらが、ちょうちんを持って各区から神社まで練り歩く。津波の教訓になるよう引き継いでいるという。

 馬場には夜店が並ぶ。駐車場は近くの南部中学校と南部小学校のグラウンド。

 神社の亀井隆行宮司(49)は「町の一大イベントでもあり、多くの人に楽しんでもらえればと思う」と話している。