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ミカンの香りたっぷり ミツバチの採蜜始まる

蜂蜜を採るため巣箱から巣板を外す作業員(14日、和歌山県田辺市稲成町で)
蜂蜜を採るため巣箱から巣板を外す作業員(14日、和歌山県田辺市稲成町で)
 和歌山県の田辺・西牟婁や御坊・日高で、地元の養蜂業者によるセイヨウミツバチの採蜜作業が始まった。主にはこの地で栽培が盛んなミカンの花から集めてできた蜂蜜で、今季は平年より多く採れそうだという。

 両地方には20戸ほどの養蜂業者がいて、毎年5月から採蜜作業を始めている。

 みなべ町晩稲の養蜂業、山本承弘さん(72)は、御坊市から田辺市にかけてのミカン畑周辺8カ所に計約240個の巣箱を置いており、今季は11日から採蜜を始めた。

 14日には早朝から、田辺市稲成町で作業員10人が集まって採蜜した。巣箱は30個あり、ハチを落ち着かせるために巣箱に順番に煙をかけ、素早く巣板を取り出し、遠心分離器にかけて蜜を採取した。

 今季はミカンの花が多いため、巣箱1個から採れる蜂蜜の量は平年よりも多く、10キロほどになりそうだという。

 全国で流通する蜂蜜のほとんどは輸入品で、国産はわずかしかない。その中でもミカンの花から集めてできた蜂蜜は初夏限定。山本さんは「蜂蜜は花によって味が変わる。ミカンの蜂蜜は香りが良く、適度な酸味があって口当たりも良い」と胸を張る。

 ミカンの花が終われば、ハゼに移る。その後、6月になれば巣箱を北海道に移し、8月までクローバーやアカシア、ボダイジュなどから蜜を集めるという。

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