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再び保守分裂へ 前有田市長の望月氏が出馬表明、参院選和歌山選挙区

今夏の参院選和歌山選挙区に無所属で立候補することを表明する望月良男氏(3日、和歌山市で)
今夏の参院選和歌山選挙区に無所属で立候補することを表明する望月良男氏(3日、和歌山市で)
 前和歌山県有田市長の望月良男氏(52)が3日、和歌山市のホテルで記者会見を開き、自民党を離党して今夏の参院選和歌山選挙区(改選数1)に無所属で立候補することを表明した。元自民党の世耕弘成衆院議員が支援する模様。一方、自民党は二階伸康氏(47)を擁立しており、昨秋の衆院選に続き、再び激しい保守分裂選となりそうだ。


 参院選にはこれまで、二階氏、立憲民主党の村上賀厚氏(65)、参政党の林元政子氏(51)、無所属の末吉亜矢氏(54)が出馬を表明していて、望月氏で5人目となる。

 二階氏は昨年10月の衆院選和歌山2区に、党公認で、父の二階俊博元党幹事長の跡を継ぐ形で出馬。離党して参院議員からのくら替えを狙った世耕氏との保守分裂選となり、世耕氏に敗れた。このとき、望月氏は政策や理念が近いという世耕氏を支援した。

 望月氏は昨年9月、16年間務めた市長を退任。政治から離れるつもりだったが、周囲から市長経験を生かして国政に挑戦するよう勧められ「心に火が付いた」と説明。世耕氏に相談した上で決断したという。

 二階氏と望月氏は、自民党県連の参院選候補者選考に手を挙げ、役員約130人による投票で二階氏が選ばれた。投票に際し県連は、保守分裂の再来を避けるため、両氏と投票者に「自民党候補の勝利に尽力する」という誓約書を求める異例の対応を取った。

 その上での出馬について望月氏は「嘘つきじゃないかと言われることは事実。保守が割れることはやめてほしいという意見に胸が痛いが、志が勝ってしまう」と説明した。

 国政では世耕氏と連携して活動し、地域の特性を生かした成長産業誘致や人材育成、地方の医療体制維持、子育て支援などに取り組みたいとした。

■除名処分を検討
自民党県連

 自民党県連の石田真敏会長は望月氏の出馬表明を受け「選挙に出ることは国民の大切な権利だが、前言を翻し信頼を裏切る行為を堂々となされたことは誠に残念だ。保守層の分裂を望まない方々が多い中で、何とか結集できるよう懸命に尽力してきたが、このような状況に至り誠に申し訳ない」との談話を出した。

 望月氏は3日、離党届を提出。しかし、県連によると、今回の望月氏の出馬は、党規律規約の処分対象となる「党公認候補者もしくは推薦候補者を不利に陥れる行為」に当たるとし、離党届は受理せず、県連の党規委員会に処分検討を要請した。除名も含めて検討される見込み。

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