和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月17日(火)

奨学生に10万円特別給付 和歌山県の小山育英会

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く中、公益財団法人「小山育英会」(事務局=和歌山県の田辺市教育委員会教育総務課)は、現役の奨学生55人に一律10万円の特別給付金を支給した。奨学生が安心して勉強に取り組めるようにと、匿名の人たちから届いた寄付金を活用した。

 小山育英会は、西牟婁郡三舞村(現白浜町)出身の故小山省三氏が私財を投じて1951年に創設。経済的な理由で就学が困難な学生に、返還の必要がない「給付型」の奨学金を支給している。

 対象は、保護者が田辺市または西牟婁郡内に住民登録している高校生、高専生、短大生、大学生。大学生の場合、月額2万5千円を給付している。これまでに、計1113人の進学を支えてきた。

 新型コロナの感染が拡大して以降、アルバイトの収入が減少するなどして学業の継続が難しくなっている学生が増えている。

 育英会の事務局によると、こうした社会情勢を受け、奨学生のためにと匿名の4人から寄付の申し出があったという。育英会の運営資金も上乗せし、一律10万円を支給することにした。

 事務局担当者は「困難な状況に置かれ、将来への不安を抱えている学生たちにとって、寄付を頂いたことはとてもありがたいことだと思う。ぜひ役立ててほしい」と話している。