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2024年12月17日(火)

感染防止にネット授業 御坊市の和歌山高専

教員がパソコンを使って授業をする(御坊市名田町で)
教員がパソコンを使って授業をする(御坊市名田町で)
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、御坊市名田町野島の和歌山工業高等専門学校(北風幸一校長)は、インターネット上のコミュニケーションツールを活用した授業を始めている。教員は、作成した資料をパソコン上で示しながら授業を進めたり、カメラや音声をつないで学生とコミュニケーションを取ったりしている。

 同校は新型コロナに対応し、学生たちの登校を原則禁止にしており、アルバイトなどもしないよう呼び掛けている。本年度の始業式もオンライン形式で5月7日に実施した。

 インターネットを使った授業は遠隔授業と称し、マイクロソフト社が提供するツール「マイクロソフトチームズ」を活用している。ツールを使うと、グループ内にいる複数人とチャットをしたり、テレビ会議をしたりすることができる。

 学生はそれぞれ、自分のパソコンやタブレット端末、スマートフォンにツールをインストールしている。学校が遠隔授業に際して実施した事前調査では、ほとんどの学生はスマートフォン以外の端末も利用できる状況という。

 従来の授業通り1こま90分としており、開始の時間になると教員と学生がツール内に設けてある同じグループに接続する。

 教員は授業内容を資料にまとめておき、ネット上で展開しながら授業を進める。

 電気情報工学科の教員で専攻科長の山口利幸教授の授業では、前回の授業で出した宿題などを確認した。山口教授が個別の生徒の名前を言いながら「マイクをオンにして、返事をしてくれますか」と呼び掛けると、モンゴルの留学生も含めた生徒から返事があり、この日の授業に入った。

 同校は1年から5年の本科、それより上の学年に専攻科があり、本年度の学生数は計873人。うち県外の学生は100人ほどおり、海外からの留学生も10人ほどいる。このため、全都道府県の緊急事態宣言が解除されても、全員が登校できるかどうかは分からない。すべての学生が平等に学習の環境を整えるのが同校の方針という。

 山口教授は「登校し従来の形式で授業を行うにしても、出席できない学生に対し、ビデオによって学べる仕組みを作れるかどうかなど、課題がある。生徒にしっかり授業を受けてもらうことが重要なので、あらゆる想定を考慮して学校再開に備えていきたい」と話している。