和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年01月13日(月)

【動画】打ち上げ現場 間近で 2月に射場見学ツアー、和歌山県串本のロケット

スペースポート紀伊の打ち上げ射点(スペースワン提供)
スペースポート紀伊の打ち上げ射点(スペースワン提供)
民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の見学ツアーを発表した関係者(和歌山県串本町田原で)
民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の見学ツアーを発表した関係者(和歌山県串本町田原で)
 昨年12月にロケット「カイロス」2号機を打ち上げた和歌山県串本町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」などを見学できるツアーが、2月に初めて行われる。普段は立ち入りできない射点を間近で見学できるだけでなく、紀南の地域資源も満喫できる内容になっている。


 串本町にオフィスを構えるコンサルティング企業「USPジャパン」(本社・東京都)が10日、発射場の総合司令棟前で記者会見を開き、ツアー実施を発表した。

 ツアーは2月12日に日帰り、15~16日に1泊2日の日程で実施する。日帰りは串本町内と那智勝浦町内から出発し、発射場や4月にオープンする「宇宙ふれあいホールSora―Miru(ソラミル)」(串本町西向)を先行して見学できる。先着160人。

 1泊2日のツアーは発射場やソラミルの見学に加え、モデルロケットの打ち上げ体験や、補陀洛山寺(那智勝浦町浜ノ宮)での打ち上げ祈祷(とう)会、旧浦神小学校(那智勝浦町浦神)にあるロケットモニュメントでの記念撮影、地元の食材を使った食事などを盛り込んだ。新大阪駅や和歌山駅、和歌山市駅から出発する。先着80人。

 いずれもUSPジャパンが企画、監修を手がけ、料金などは調整中。17日午後1時にウェブサイト「ロケットのある町SpaceTown串本町・那智勝浦町」でツアーの詳細の発表、販売をする。

 記者会見には、田嶋勝正串本町長、堀順一郎那智勝浦町長、発射場を運営するスペースワンの下瀬滋スペースポート紀伊所長、USPジャパンの新津研一社長が出席した。

 新津社長はツアーの開催に先立ち、同社と両町が昨年10月に包括連携協定を締結したことを報告。スペースワンの協力を受けながら、取り組みを強化し「ロケットで元気になる」まちづくりを進めていくことなどを説明した。

 田嶋串本町長は「早い段階で一つの形ができたことをうれしく思う。串本、那智勝浦町には素晴らしい資源がある。魅力を多くの皆さんに感じてもらいたい」、堀那智勝浦町長は「発射場は本州でただ一つ。串本、那智勝浦町に足を運んで魅力を感じてもらうことで、リピーターになっていただくきっかけになるのではないか」と期待した。

 新津社長は「ロケットのみならず、紀南の観光資源、自然資源、文化資源を組み合わせて提供することが地域活性化につながると考えている」と述べた。

 さらに、打ち上げから2カ月以内に射点でツアーを開催するのは非常に珍しいといい「打ち上げの痕跡が残っている環境だろうと思っているのでご期待いただきたい」と語った。

 また、今回のツアーで多くのデータを取り、来年度はその結果を踏まえて価格帯や実施頻度、内容を検討していくという。