和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月17日(火)

友釣り解禁を6月14日に延期 古座川漁協

今年は稚アユ1・5トンを放流、天然遡上も回復傾向という。写真は縄張り争いをするアユ(和歌山県古座川町小川で)
今年は稚アユ1・5トンを放流、天然遡上も回復傾向という。写真は縄張り争いをするアユ(和歌山県古座川町小川で)
 和歌山県の古座川漁協は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、古座川本流や支流でのアユの友釣りの解禁を例年の6月1日から、6月14日に延期することを決めた。県外からの遊漁者には自粛を求める他、新型コロナの感染状況によっては解禁日をさらに延ばす可能性もあるとしている。

 15日に開かれた組合の理事会で決めた。理事会では「県外からの遊漁者に自粛を求めた上で、例年通り6月1日に解禁してもよいのではないか」という意見もあったが、「自粛を求めても県外から釣りに来る可能性があると心配している地域住民もいる。しばらく様子を見た方がよいのでは」という意見が多く、延期を決めたという。

 組合では、おとりアユを販売する店や遊漁券販売所などに対し、アルコール消毒やマスクの着用などを呼び掛け、感染予防を徹底するとしている。

 大屋敏治組合長(63)は「古座川町にとって県外から釣り人がたくさん来てくれることは本来、大変喜ばしいことだが、今回は申し訳ないが、協力をお願いしたい」と理解を求めている。

 アユの漁期は12月末まで。組合は県内水面漁連が海で取って蓄養した稚アユを3月に1トン、4月に0・5トンの計1・5トン放流している。

■天然遡上は回復傾向

 古座川流域では昨年、アユの天然遡上(そじょう)が少なかった。今年の状況について古座川町洞尾でおとりアユ販売店を営む田上智士さん(56)は「去年よりは多い。例年ぐらいになるのでは」と話している。

 田上さんによると、古座川流域には県内はもちろん、京阪神などから毎年多くの遊漁者が来ており、昨年は遠い所だと台湾、秋田県、山口県などからも来ていたという。天然遡上が少なかった昨年は延べ1500人、一昨年は延べ3千人の遊漁者が来町した。遠方の遊漁者たちは、インターネットなどで情報を収集して全国各地の河川へ足を運んでおり、車中泊をする人が多いという。

 全国的にアユは小型化しているが、古座川流域では昨年、26センチの大物を釣り上げた人もいた。一日の釣果は昨年で約40匹、一昨年は約80匹釣る人がいたという。