和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年01月15日(水)

白浜舞台に創作劇 19日、地元の劇団や音楽団体出演、和歌山

本番が迫り、練習に熱が入る劇団たなべ座のメンバー(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
本番が迫り、練習に熱が入る劇団たなべ座のメンバー(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
 和歌山県白浜町を舞台にした創作劇「円月島に陽が沈まなくなった」が19日、町内のホテルシーモアで上演される。出演は紀南の劇団や音楽団体、ダンス教室など。神話をモチーフにした喜劇で、オーバーツーリズム(観光公害)や環境問題を考える内容になっているという。

 南紀白浜演劇祭実行委員会(小山博章実行委員長)が企画した。地元から劇団たなべ座(田辺市)、円月太鼓保存会(白浜町)、ギターの弾き語りライブをしている三木栄司さん(白浜町)、ダンス教室「パシフィックブルーダンススタジオ」(すさみ町)が参加する。

 演劇は、町のシンボルである円月島が舞台。中央にある丸い穴に夕日が沈む絶景を見に、国内外から観光客が訪れていたが、ある日、島に夕日が沈まなくなる。これは神の怒りか。町の有力者たちは怒りを静めてもらおうと、円月島の前でダンス、神楽、歌謡ショーなどを演じて神の機嫌を取ろうとする―。

 劇団たなべ座からは11人が出演。田辺市高雄1丁目の稽古場で、練習に励んでいる。仕事の都合やインフルエンザの流行などもあって全員がそろうのが難しい中、モニターを設置してオンラインでも参加できるようにしている。6日に今年初の練習会があり、本番が迫る中、演出の議論も白熱した。

 昨年3月に劇団に加入した白浜町在住の会社員、坂本千秋さんは、パワースポットガイド役。「演劇に興味があったが、学生時代は縁がなかった。劇団で取り組んでいる郷土を題材にした時代劇と違い、現代劇で架空の人物を演じるのは新たな挑戦。風変わりな役だけれど、自分自身の変わり者の部分を投影したい。笑って楽しみながら、観光資源をどう守るか考えてもらえると思う」と意気込む。

 小山実行委員長は「出演者は地元がメイン。地元の人に見てもらうことで、地域が盛り上がり、演劇に興味を持つ人が増えればうれしい」と来場を呼びかけている。

 俳優・脚本家のエスムラルダさんが太陽神、舞踊家・俳優の實川ふうさんが神の使いの鶏、俳優の福田恵さんが呪術師役で出演する。シンガー・ソングライターの庄最愛夏さんもゲストとして参加する。

 開演は午後2時。料金は大人3千円、高校生1500円、小中学生千円。全席自由。

 チケットは申し込みサイトから購入できる。問い合わせは南紀白浜演劇祭事務局(050・3699・3171)へ。