和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月27日(水)

定期購入トラブルに注意 和歌山県消費生活センター、昨年度相談548件

 和歌山県消費生活センターは、化粧品や健康食品の苦情相談が昨年度中、548件寄せられたと発表した。ほとんどが「お試し価格」で1回だけ購入しようとしたところ、定期購入契約になっており、想定以上の金額を請求されたというトラブル。センターは注意を呼びかけている。


 昨年度の苦情相談総数は4816件(前年度比3・9%減)。商品やサービスで苦情相談が最も多かったのは「化粧品」で344件(120件減)、次いで「健康食品」の204件(2件増)だった。これらのトラブルはいずれも、インターネットやSNSで低価格を強調する広告を見て、1回だけのつもりで注文したが、複数回の購入が条件になっていたという内容が多い。

 ネット通販にはクーリングオフ制度(一定期間内であれば契約を解除できる制度)は適用されないため、注文前によく確認する必要がある。昨年度はサイトなどに「定期縛りなし」との表示が目立ったが、定期購入ではないという意味ではなく、定期購入回数に決まりがないという意味の場合が多いという。

■「内職・副業」も急増


 また「内職・副業」に関する苦情相談は92件で、前年度の49件から2倍近くに増えた。利益を強調して投資を勧める「利殖商法」を含む。

 相談は「簡単にもうかる」「気軽に始められる」と勧誘を受けて始めたが「もうからない」「さまざまな名目で代金を請求された」「ノウハウやサポートとして高額な契約を進められた」といった内容。実際、業者から「副業するには支援を受ける契約が必要」と複数の貸金業者から借金するよう指示され、約150万円の契約をしたという事例があった。また、勧誘されて仮想通貨に約90万円投資すると、アプリで600万円に増えたと表示されたので、引き出そうと連絡したが「所得税がかかる」「保険をかける必要がある」などと約300万円を請求された。支払ったが、アプリが利用できなくなった、といった相談もあった。

 偽のアプリの利用を促し、利益が出ていると見せかけて、次々と投資させる手口もあるという。取引相手が金融商品取引業登録されているかは金融庁ホームページで確認できる。

■訪問買い取り苦情
6割が70代以上


 訪問買い取りの苦情相談件数も前年度の36件から急増し53件となった。業者に「テレホンカードなどの不用品はないか」と突然訪問され、その後断り切れずネックレスや指輪を買い取られてしまったなどという内容。年代別では70代以上が6割を占める。センターは、業者が突然訪問して買い取り勧誘する行為は法律で禁止されているといい、そういった場合は家に入れないよう呼びかけている。

 このほかSNSがきっかけのトラブルは439件。毎年増加しここ5年で3倍になった。「有名人が紹介する外国為替証拠金取引(FX)を始めたがシステムが使えない」「ブランド品を注文したが偽物と思われるのでキャンセルしたい」などで、SNSの情報をうのみにせず、特に身分証明書の情報を送ることは絶対にしないよう注意が必要という。

 センターは一人で悩まず、全国共通の「消費者ホットライン」(188)、県消費者センター紀南支所(0739・24・0999)などに相談するよう呼びかけている。