和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

焼きたてピザ限定販売 4、5月に「龍乃原食堂」、和歌山・龍神

龍乃原食堂でピザ作りを教えている、シンガポール出身のジェルマヤ・リエさん。龍神村への移住に向けて手続きを進めている(和歌山県田辺市龍神村広井原で)
龍乃原食堂でピザ作りを教えている、シンガポール出身のジェルマヤ・リエさん。龍神村への移住に向けて手続きを進めている(和歌山県田辺市龍神村広井原で)
焼きたてのピザに舌鼓を打つ参加者(和歌山県田辺市龍神村広井原で)
焼きたてのピザに舌鼓を打つ参加者(和歌山県田辺市龍神村広井原で)
 古民家を改修した和歌山県田辺市龍神村広井原の「龍乃原食堂」は今月から、ピザや鉄板焼きといった限定メニューの販売をしている。限定販売の期間は5月末まで。地域の食材を生かした焼きたてピザだけでなく、伝統のシンガポールコーヒーも提供する。


 龍乃原食堂は、龍神村に移住したシンガポール出身の李先捷(リー・シェンジェ)さん(34)が営んでいる。築120年以上のかやぶきの古民家を改修して2022年にオープンした。

 ピザなどの作り方を教えているのは、シンガポールでカフェやレストランなど13店の経営や、コーヒーに関するコンサルティングを手がけていたジェルマヤ・リエさん(35)。リーさんを通じ、昨年11月から1カ月半ほど龍神村に滞在したことがきっかけで、人の温かさに感動して龍神村への移住を決意。現在は広井原への移住に向けた手続きを進めている。

 ピザは自家製パンを使ったパンピザ。トマトとモッツァレラチーズの「赤ピザ」、チーズクリームとマッシュルームの「白ピザ」、野菜やシイタケなど龍神村産の季節の食材を使った「ドラゴンピザ」の3種類を用意している。テイクアウトにも対応する。

 また、100年前に創業したシンガポールの老舗店から仕入れたコーヒー豆を使い、専用のポットとフィルターを使った伝統のシンガポールコーヒーも提供する。鶏や豚、天然アマゴの鉄板焼きや、梅ジャムを入れた梅ソーダ、生ビールもある。

 4月と5月は金曜から火曜に営業し、時間は午前11時半~午後2時半。夕食のコース料理にも、3人以上の予約制で対応している。

 ジェルマヤさんは「龍神村は自然が豊かでいろんな動物がいて、住民の皆さんが作っている野菜の新鮮さも魅力。もっと人口を増やせるように、ゆくゆくは若い世代が龍神村で仕事ができる機会もつくっていきたい」と話している。ビザが取得できれば、ジェルマヤさんがピザ作りなどを担当するという。

■手作りピザに舌鼓

 ピザの販売開始を前にこのほど、龍乃原食堂で地域の住民らを招いたピザパーティーがあった。参加した20人が、古民家の縁側や軒先で焼きたてのピザや鉄板焼きに舌鼓を打ち、ジェルマヤさんと交流を深めた。

 地元の上広井原区長、川合良平さん(67)は「人口が減る中で、リーさんを通じて外国の方々とのつながりができ、輪が広がっている。移住して、区を盛り上げてくれるのはありがたい」と話した。