和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

秋祭りで3年ぶり獅子舞 串本町、奉納に向け稽古大詰め

潮崎本之宮神社の秋祭りに向けた獅子舞の稽古(和歌山県串本町串本で)
潮崎本之宮神社の秋祭りに向けた獅子舞の稽古(和歌山県串本町串本で)
和深八幡神社の秋祭りに向けた獅子舞の稽古(和歌山県串本町和深で)
和深八幡神社の秋祭りに向けた獅子舞の稽古(和歌山県串本町和深で)
 和歌山県串本町串本の潮崎本之宮神社と同町和深の和深八幡神社で9日に営まれる秋祭りで今年、3年ぶりに獅子舞が奉納される。潮崎本之宮では南氏子会、和深八幡では和深祭礼実行委員会が当日に向け、それぞれ9月下旬から毎晩取り組んできた稽古が大詰め。コロナ禍で今年も秋祭りはどこも縮小傾向だが、少しずつ「復活」に向けた動きも出てきている。


 潮崎本之宮神社では例年10月の3連休に合わせて秋祭りを営んでおり、東、西、南、北の四つの氏子会が屋台を出して街中を練り歩いたり、獅子舞を奉納したりし、多くの見物人でにぎわう。

 同神社ではコロナ禍のために2020、21年の秋祭りは神事のみ。今年も宵宮や街中での獅子舞は見送るものの、「来年こそは本来の祭りを」との願いを込めコロナ退散の祈願として、当番会である南氏子会が境内で獅子舞を奉納することになった。神社で獅子舞を奉納するのは20年1月の歳旦祭以来になるという。

 南氏子会の稽古は9月23日からスタート。本番は幣の舞や神宮の舞、剣の舞など9演目を奉納する予定で、同町串本の国道42号沿いにある南青年会館に若者らが集まって毎晩稽古に励んでいる。

 南氏子会の松本誠会長(39)は「祭りを存続させ、地域を元気にしたいとの思いで稽古に励んでいる。皆で感染予防に努めて頑張っているので、当日も感染に気を付けながら多くの方に見ていただけたらうれしい」と話している。神事・獅子舞の奉納は午前10時からの予定。

 和深八幡神社の秋祭りは例年、獅子舞の奉納や4年前に約80年ぶりに復活させた「御弓式」などがあり、毎年、多くの地域住民らが訪れる。

 同神社でも20、21年の秋祭りは、コロナ禍のため神事のみ。和深青年会や青年会OBでつくる深和会など地域の各種団体でつくる和深祭礼実行委員会では今年、獅子頭を新調したり修繕したりしたことから、その節目として、3年ぶりに秋祭りで獅子舞を奉納することを決めた。9月28日から若者らが和深総合センターに集まり、毎晩稽古を重ねている。

 関係者には検温をしたり、抗原検査を受けてもらったりと感染予防に努めながら、当日は午前10時から神事と獅子舞の奉納を計画。幣の舞や神宮の舞、神明讃の3演目の奉納を予定しているという。

 和深青年会の鈴木宏誌会長(37)は「祭りが好きな人ばかり。コロナ禍でフラストレーションがたまっていたので、ありがたいし楽しみ。例年通りとはいかないが、これまでできなかった分、一生懸命、獅子舞を奉納したい」と意気込んでいる。