和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

夏本番で梅天日干し みなべ町、高温心配する声も

ビニールハウス内に干された塩漬けした梅(和歌山県みなべ町晩稲で)
ビニールハウス内に干された塩漬けした梅(和歌山県みなべ町晩稲で)
 日本一の梅産地、和歌山県みなべ町で、塩漬けした梅の実を天日干しする作業が本番を迎えている。産地のあちらこちらにあるビニールハウス内で干しており、農家は晴天続きに一安心するが、あまりの気温の高さに品質を損ねてしまわないか心配する声もある。


 梅の実のほとんどは町内発祥の人気品種「南高梅」。5月から7月にかけて収穫し、1カ月以上塩漬けした後に天日干しする。

 しっかり干せるように、梅雨明けから始める農家が多い。今季は史上最も早い6月28日に梅雨明けしたものの、晴れた日が少なく、7月下旬になってようやく晴天が続くようになった。ビニールハウスの中だと雨にぬれることはないとはいえ、晴天の方が乾きが良くなるため天日干しもやっと本番だ。

 同町晩稲の農家、山本秀平さん(30)は7月中旬から始めた。ビニールハウス内に置いたせいろに梅の実を並べて干している。晴れた日だと3日で干し上がるが、曇りだと4、5日かかるという。山本さんは「やはり晴れている方がすっきり乾く」と喜ぶ。その半面、「異常な暑さで、実が焼けて品質が落ちてしまわないだろうか」と心配する。遮光ネットを張るなどして対策をしているという。

 実は途中でひっくり返し、黄色い実が赤くなり、塩が吹き出してくると出来上がる。傷を確認しながら、たるに詰める。

 山本さんは「今季の収穫量は産地全体では平年よりやや多いといわれているが、うちは少なめ」と話す。

 出来上がった1次加工の「白干し梅」は仲買人などに販売している。山本さんも加わる地元の「梅ボーイズ」(山本将志郎代表)もその梅干しを使って、シソ漬けをメインに2次加工し販売している。