ウミガメの産卵、序盤は低調 和歌山県みなべの浜
和歌山県みなべ町山内の千里の浜で、アカウミガメの産卵がシーズンを迎えている。これまでのところ、昨年同様に産卵回数は少なく低調。昨年はシーズンを通して過去2番目に少なかっただけに、これから7月上旬までの最盛期に多くなることが期待される。
千里の浜は全国有数のアカウミガメの産卵地で、本州では最も産卵密度が高い。産卵は毎年5月中旬から始まり、8月上旬まで続く。そのうち6月下旬から7月上旬にかけて産卵回数が多い。
町教育委員会によると、今季、今月22日未明までに確認された産卵は7回で、昨年同期よりも2回少ない。
初確認は5月23日で、昨年より1週間ほど早く例年並みだった。それを含め13日未明までの3週間ほどで6回確認でき、昨年と比べると2回多く順調だったが、その後22日未明までの9日間では1回しかなかった。
ウミガメの調査が始まった1980年代以降、シーズンを通しての産卵が最も少なかったのは1998年の29回。昨年は31回で、過去2番目に少なかった。90年代初めに350回近くに達し、2012、13年度にはいずれも300回近くあったのと比較すると大幅に少ない。ここ数年で見ると16、17年にいずれも120回を超えていたが、18年には59回に減り、その後も減っている。
■岩代の浜で増加
今季はこれからが最盛期。これまで千里の浜は低調だが、その一方で、隣接する岩代の浜で増加しており、今後も産卵が続く可能性はあるとみられる。
今月13日から今季の保護調査や研究を始めた「NPO日本ウミガメ協議会」(大阪府枚方市)事務局長の松宮賢佑さんによると、岩代では昨年、シーズンを通して2回だったが今季は既に6回確認されている。「今季、千里の浜での上陸数は昨年より大幅に多い。浜の状態が悪いことで上陸しても産卵に至らず、同じカメが何度も上がっているとみられ、岩代に場所を替えて産んでいる可能性はある」という。その上で「千里の浜では今季、出だしは好調だと思われたが、伸び悩んでいる。産卵回数は千里と岩代を合わせて考えてもいいかもしれない。今後、順調に産卵してくれることを期待したい」と話す。
■盆明けまで保護調査
協議会は8月の盆明けまで保護調査を続ける。
事務局職員のほか、神戸市で動物や自然環境を学ぶ専門学生が毎日、午後8時から午前3時まで1時間置きに延長約1・3キロの砂浜を歩き、上陸や産卵を確認する。ウミガメの大きさを測り、個体識別のための標識も付ける。
産卵した場所には、タヌキによる卵の食害を防ぐために防備柵をかぶせる。子ガメがかえった後には、かえらなかった卵を数えてふ化率を調べる。
松宮さんは「ウミガメの調査は、さまざまな団体とともに全国でしている。産卵回数を知ることで増減が見えてくる。生態を知るために個体識別調査もしている。守るために地道に続けたい」と話している。
千里の浜は全国有数のアカウミガメの産卵地で、本州では最も産卵密度が高い。産卵は毎年5月中旬から始まり、8月上旬まで続く。そのうち6月下旬から7月上旬にかけて産卵回数が多い。
町教育委員会によると、今季、今月22日未明までに確認された産卵は7回で、昨年同期よりも2回少ない。
初確認は5月23日で、昨年より1週間ほど早く例年並みだった。それを含め13日未明までの3週間ほどで6回確認でき、昨年と比べると2回多く順調だったが、その後22日未明までの9日間では1回しかなかった。
ウミガメの調査が始まった1980年代以降、シーズンを通しての産卵が最も少なかったのは1998年の29回。昨年は31回で、過去2番目に少なかった。90年代初めに350回近くに達し、2012、13年度にはいずれも300回近くあったのと比較すると大幅に少ない。ここ数年で見ると16、17年にいずれも120回を超えていたが、18年には59回に減り、その後も減っている。
■岩代の浜で増加
今季はこれからが最盛期。これまで千里の浜は低調だが、その一方で、隣接する岩代の浜で増加しており、今後も産卵が続く可能性はあるとみられる。
今月13日から今季の保護調査や研究を始めた「NPO日本ウミガメ協議会」(大阪府枚方市)事務局長の松宮賢佑さんによると、岩代では昨年、シーズンを通して2回だったが今季は既に6回確認されている。「今季、千里の浜での上陸数は昨年より大幅に多い。浜の状態が悪いことで上陸しても産卵に至らず、同じカメが何度も上がっているとみられ、岩代に場所を替えて産んでいる可能性はある」という。その上で「千里の浜では今季、出だしは好調だと思われたが、伸び悩んでいる。産卵回数は千里と岩代を合わせて考えてもいいかもしれない。今後、順調に産卵してくれることを期待したい」と話す。
■盆明けまで保護調査
協議会は8月の盆明けまで保護調査を続ける。
事務局職員のほか、神戸市で動物や自然環境を学ぶ専門学生が毎日、午後8時から午前3時まで1時間置きに延長約1・3キロの砂浜を歩き、上陸や産卵を確認する。ウミガメの大きさを測り、個体識別のための標識も付ける。
産卵した場所には、タヌキによる卵の食害を防ぐために防備柵をかぶせる。子ガメがかえった後には、かえらなかった卵を数えてふ化率を調べる。
松宮さんは「ウミガメの調査は、さまざまな団体とともに全国でしている。産卵回数を知ることで増減が見えてくる。生態を知るために個体識別調査もしている。守るために地道に続けたい」と話している。