和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

ウミガメの産卵今季初確認 みなべ町の千里の浜

産卵したウミガメの足跡。今季初めて確認された(和歌山県みなべ町山内で)
産卵したウミガメの足跡。今季初めて確認された(和歌山県みなべ町山内で)
 和歌山県みなべ町山内の千里の浜で23日、アカウミガメの産卵が今季初めて確認された。2カ所あり、ここ数年は減少傾向のため、保護する人たちはたくさんの産卵を期待している。

 町教育委員会教育学習課の前田一樹副課長がドローン(小型無人機)を使って調査。ウミガメが歩いた跡が砂浜の3カ所に残っているのを見つけ、そのうち2カ所で卵を産んでいるのを確認した。確認する際に掘った穴には、目印を埋めた。

 ウミガメ産卵の調査は今季、20日が初めてで、その際、足跡は確認できなかった。23日は2回目の調査だったことから、産卵は20日夕方から23日朝までの間とみられる。時季は例年並みだという。

 千里の浜でのウミガメの産卵は例年、5月中旬から8月上旬にかけてで、6月中頃から多くなる。

 昨年の産卵は5月29日が最初だった。例年より1週間ほど遅く、その後も産卵が確認できたのは6月に11回、7月に16回、8月に2回と低調。シーズンを通して30回で、調査が始まった1981年度以降、2番目に少なかった。

 前田副課長は今後も天候などの状況を見ながら確認を続ける。来月10日ごろからは「NPO日本ウミガメ協議会」の事務局職員らが現地に滞在し保護調査や研究をする。

 前田副課長は「今季は幸先が良い。少なくとも昨年を上回り、回復に向かうことを期待したい」と話している。