和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月21日(木)

【動画】沿線に「おもてなし」の波 観光特急「銀河」最終日

銀河に向かって旗や手を振る参加者(和歌山県串本町西向で)
銀河に向かって旗や手を振る参加者(和歌山県串本町西向で)
 JR西日本の観光特急列車「WEST EXPRESS(ウエスト エクスプレス)銀河」が和歌山県の紀南コースの最終運行日を迎えた22日、沿線から銀河に向かって皆で手を振り、その様子を撮影して和歌山の「おもてなし力」をPRする映像を作ろうというイベントがあった。古座川河口近くの鉄橋付近では、川面のカヤックなどからも含めて多くの人たちが参加。銀河を見送った参加者は「また紀南地方を走ってほしい」と声をそろえていた。

 「999人とあなたの銀河おもてなしウェーブ」という企画で、JRきのくに線を通じて地域の活性化を目指す学生有志の「和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト(きの活)」と紀南地方の自治体などでつくる「WEST EXPRESS銀河受入協議会」、JR西日本和歌山支社の主催。沿線の住民や和大生、JR西日本グループの社員らが、新宮駅を出発して京都駅に向かう銀河に向かって手を振り、その様子を銀河の車内や沿線から撮影してPR映像を作って活用しようと、広く参加を呼び掛けた。

 紀南各地に皆で一緒に手を振る場所を設定。串本町西向の古座川右岸・鉄橋の海側では多くの人たちが集まり、皆で「ようこそ紀南へ」と書かれた旗を持って手を振ったり、写真や動画を撮影したりしていた。川の上からも、串本町の南紀串本観光協会の呼び掛けで集まった人らがカヤックやスタンドアップパドルボード(SUP=サップ)に乗って参加し、取り組みに花を添えた。合わせて100人ほどが集まったという。

 参加した地元の女性(79)は「今日で最後だと聞いたので参加した。地域がにぎわうのは良いこと。また来てほしい」と笑顔。京都府から駆け付けたという男性(53)は「銀河には往復で一度乗ったが、各地のおもてなしがすごく良かった」と、再び紀南コースを走ることを期待していた。

 きの活の岸本瑞生代表(19)=観光学部2年=は「予想以上に多くの方が参加してくれて感動した。皆さんの『おもてなし力』を映像にし、和歌山の観光のアピールに活用していきたい」と話した。

 受入協議会の副会長を務めている田嶋勝正串本町長も最終日にJR串本駅で参加。「多くの人が銀河に乗って串本を訪ねてくださった。経済効果も大きかったし、地元の皆さんが盛り上げてくださったおかげで乗客の皆さんの満足につながったと思う。紀南コースを継続していただけるよう要望していきたい」と話していた。