和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

御坊で震度5弱、田辺は4 和歌山で地震、沿岸では高台避難も

震源・震度情報(気象庁のホームページより)
震源・震度情報(気象庁のホームページより)
高台へ避難する障害者施設の利用者ら(3日、和歌山県田辺市文里1丁目で)
高台へ避難する障害者施設の利用者ら(3日、和歌山県田辺市文里1丁目で)
地震の揺れでひびが入った和歌山県田辺市役所の窓ガラス
地震の揺れでひびが入った和歌山県田辺市役所の窓ガラス
 3日午前9時28分ごろ、和歌山県御坊市で震度5弱の地震があった。気象庁によると、震源地は紀伊水道で、震源の深さは約20キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・4と推定される。田辺市やその周辺は震度4だった。同日早朝に山梨県で震度5弱の地震があったばかり。沿岸の施設では高台に避難したり、鉄道のダイヤが乱れたりした。津波の発生はなかったが、各自治体は情報収集に追われた。


 海抜約2メートルにある田辺市文里1丁目の障害者福祉サービス事業所「ふたば第二作業所」では、津波を心配して、揺れが収まってすぐ、職員約10人が利用者約30人を引率して500メートルほど離れた海抜20メートルの高台へ避難した。

 松下直樹施設長(41)は「海が近いのでかなり慌てた。地震の揺れでパニックを起こす利用者もいて、訓練のようにはスムーズに避難できなかった。保護者からの要望もあり、一刻も早く移転したい」と話した。

 同市上屋敷2丁目の「NUKU森の丘こども園」でも、約100メートル離れた紀南文化会館に0~5歳児の園児82人が避難。同市文里2丁目の神島高校(生徒数708人)では、指定避難場所になっている田辺高校(田辺市学園)まで逃げた生徒もいたという。串本町でも沿岸の小中学校の児童生徒や、くしもとこども園の園児が高台に避難した。

 田辺市役所本庁舎では、2~4階の12カ所で計20枚の窓ガラスがひび割れする被害があった。ガラスの落下はなく、けが人もなかった。

 3階にある検査員室では、計4枚の窓ガラスがひび割れた。窓際の机で仕事をしていた市の検査員、多屋公雄さん(63)は「ピシッとガラスにひびが入る音がして、思わず机から離れた。また揺れが来るかもしれないと思って、しばらく怖かった」と話した。

 白浜町十九渕のとんだ幼児園では園児と保育士が転倒して軽いけがを負った。

 気象庁は地震の規模が小さかったとして「南海トラフ巨大地震の発生する可能性が平常時より高まっているとは考えていない」との見解を示した。

 紀南で震度2以上の観測地点は次の通り。

 【震度4】田辺市中辺路町栗栖川、同市中屋敷町、同市龍神村西、印南町印南、みなべ町土井、同町芝、白浜町日置、上富田町朝来、すさみ町周参見

 【震度3】田辺市中辺路町近露、同市本宮町本宮、同市鮎川、新宮市新宮、同市熊野川町日足、古座川町高池、串本町串本

 【震度2】新宮市磐盾、那智勝浦町朝日、太地町太地暖海公園、同町役場、北山村大沼、串本町潮岬、同町古座