和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年09月25日(土)

人気うどん店「まるふく」復活へ 後継者、白浜で9日開業

「まるふく」の店主だった福本博文さん(右)と、指導を受けた松下直樹さん=和歌山県上富田町朝来で
「まるふく」の店主だった福本博文さん(右)と、指導を受けた松下直樹さん=和歌山県上富田町朝来で
 和歌山県上富田町朝来にあったうどん店「○ふく(まるふく)」の味が、白浜町湯崎で”復活”する。飲食店で勤務していた男性が元店主から指導を受け、のれんを引き継ぐ。同じ名前になる店は9日にオープンする予定。男性は「たくさんの方が愛された味。重圧はあるが、しっかり頑張りたい」と話している。

■常連客が引き合わせ

 「まるふく」は、福本博文さん(82)が1994年に自宅で開いた。大阪で約40年間、料理人として働いた経験を生かし、こだわりのうどんだけではなく、だし巻き卵や天ぷらも味わえる人気店だったが、2019年9月、惜しまれつつ閉店した。

 味を引き継ぐ松下直樹さん(31)=上富田町岡=は、田辺市内の飲食店で約7年間勤めた。今年1月以降、開店準備を進めながら、だしの取り方やうどんの作り方を福本さんに教わった。福本さんが「いつか誰かが使うだろう」とメンテナンスを続けていた製麺機を譲り受けたことで、独特の細麺も承継する。

 松下さんの背中を押したのは、まるふくに小学生の頃から通っていた堀真典さん(38)=上富田町朝来。公私で付き合いのある福本さんから店を閉めると聞いて「食べられなくなるのは寂しい」と感じ、松下さんに声を掛け、福本さんと引き合わせた。堀さんの思いを聞いた松下さんは「素晴らしいと思ったし、力になれたらいいと考えた」。堀さんは「福本さんに恩返しをしたかった」と話す。

 松下さんの新しい店舗は「フィッシャーマンズワーフ白浜」近くの通称・本町通り沿いにある。店ののれんや作務衣(さむえ)も福本さんから譲り受けた。営業は午前11時~午後10時。火曜定休。

 天候や湿度にも気を配って作ったうどんを提供していた福本さんは「(松下さんが作る)うどんを食べて文句をつけないといけない」と笑いつつ「1人でも『おいしい』と言ってくれる人ができれば、お客さんは自然と増えてくる。早く食べてみたい」とエールを送っている。