東岩代区「協定守り稼働やめて」 ごみ処理場巡り平行線、和歌山県みなべ町「移転に数億円かかる」
和歌山県みなべ町の区長会議である町自治振興委員連絡協議会が22日、同町芝の町役場で開かれた。東岩代区の有本義宣区長(62)は、同区に隣接する町ごみ処理場(みなべ町山内)について、町が東岩代区と交わした「3月末までの稼働とする」との協定内容に反して処理場の稼働を続けていると指摘。町に「協定を守ってほしい」と訴えた。町は「移転には数億円かかる。それが町全体の利益になるのか」とし、意見は平行線をたどった。
町ごみ処理場について、町と東岩代区は09年11月、焼却炉施設は14年3月末までの稼働とし、同施設は20年3月末までに撤去する▽分別作業施設の稼働と、ごみを埋め立てる最終処分場の使用は20年3月末までとする―などを取り決めた協定を締結した。
町は焼却炉施設については協定通り14年に稼働を終えた。分別作業施設と最終処分場に関しては、使用期限が迫った19年3月、町と東岩代区で25年3月末まで5年間期限を延長する協定を結んだ。町は最終処分場については延長協定に基づき今年3月末に閉鎖したが、分別作業施設は現在も稼働している。
有本区長は「ごみ処理場は山内に立地しているが、周辺には東岩代の人の畑があり、低い丘を越えれば東岩代の集落がある。区は1年半以上にわたって町と協議し、協定を守っていただきたいという話を続けてきたが、平行線のままだった。区民の意思を改めて問うために先月臨時総会を開き、投票者の85%が協定を守ってほしい、稼働停止にしてほしいという結果が出た。区としては、裁判所に調停を申し立てる準備を進めている」と述べ、他の区長らに現状を訴えた。
生活環境課の阪口好文課長は「協定の期日が今年3月31日というのは区長のおっしゃる通り。ただ、現在、田辺広域5市町でごみ処理施設の用地選定や今後の建設の計画を進めており、当初はもっと早くできる方向だった。そういう状況の中で、山内の処理場は必要だというのが町の考え」と説明した。
山本秀平町長は「結果的に町は協定を破ってしまったことになるが、それは、町が今あるごみ処理場を必要な物だと判断したから。稼働をやめて撤去する場合は町内の他の場所に移転しなければならず、それには数億円かかる。それが果たして町全体にとって利益になるのかを私たちも議論した。ごみ処理場があることによって出てしまう臭いなどに対し、町は全力で対策させていただく。東岩代区の意向には添えないが、なんとかお願いをさせていただきたいと、これまで話をしてきた」と述べた。
有本区長は、会議後の取材に対し「騒音や異臭だけでなく、ごみ処理場があることで、周辺の畑にごみが違法投棄されることが多い。町は期限が切れる前に新たな協定案を提示してきたが、10年延長した上で再度協議するという内容で、稼働の期限を明示する文言がなくなっていた」と訴えた。
処理場のある山内区は、4月以降の使用について、町と新たな協定を結んでいる。
町ごみ処理場について、町と東岩代区は09年11月、焼却炉施設は14年3月末までの稼働とし、同施設は20年3月末までに撤去する▽分別作業施設の稼働と、ごみを埋め立てる最終処分場の使用は20年3月末までとする―などを取り決めた協定を締結した。
町は焼却炉施設については協定通り14年に稼働を終えた。分別作業施設と最終処分場に関しては、使用期限が迫った19年3月、町と東岩代区で25年3月末まで5年間期限を延長する協定を結んだ。町は最終処分場については延長協定に基づき今年3月末に閉鎖したが、分別作業施設は現在も稼働している。
有本区長は「ごみ処理場は山内に立地しているが、周辺には東岩代の人の畑があり、低い丘を越えれば東岩代の集落がある。区は1年半以上にわたって町と協議し、協定を守っていただきたいという話を続けてきたが、平行線のままだった。区民の意思を改めて問うために先月臨時総会を開き、投票者の85%が協定を守ってほしい、稼働停止にしてほしいという結果が出た。区としては、裁判所に調停を申し立てる準備を進めている」と述べ、他の区長らに現状を訴えた。
生活環境課の阪口好文課長は「協定の期日が今年3月31日というのは区長のおっしゃる通り。ただ、現在、田辺広域5市町でごみ処理施設の用地選定や今後の建設の計画を進めており、当初はもっと早くできる方向だった。そういう状況の中で、山内の処理場は必要だというのが町の考え」と説明した。
山本秀平町長は「結果的に町は協定を破ってしまったことになるが、それは、町が今あるごみ処理場を必要な物だと判断したから。稼働をやめて撤去する場合は町内の他の場所に移転しなければならず、それには数億円かかる。それが果たして町全体にとって利益になるのかを私たちも議論した。ごみ処理場があることによって出てしまう臭いなどに対し、町は全力で対策させていただく。東岩代区の意向には添えないが、なんとかお願いをさせていただきたいと、これまで話をしてきた」と述べた。
有本区長は、会議後の取材に対し「騒音や異臭だけでなく、ごみ処理場があることで、周辺の畑にごみが違法投棄されることが多い。町は期限が切れる前に新たな協定案を提示してきたが、10年延長した上で再度協議するという内容で、稼働の期限を明示する文言がなくなっていた」と訴えた。
処理場のある山内区は、4月以降の使用について、町と新たな協定を結んでいる。
