和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月14日(月)

新ごみ処理施設の用地検討 田辺周辺広域市町村圏組合、和歌山

新たなごみ処理施設の用地選定に向け、初めての会合を開いた検討委員会(11日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
新たなごみ処理施設の用地選定に向け、初めての会合を開いた検討委員会(11日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
 和歌山県の田辺、みなべ、白浜、上富田、すさみの5市町でつくる「田辺周辺広域市町村圏組合」(管理者=真砂充敏田辺市長)は、新たなごみ処理施設の整備に向け、用地選定の検討を始めた。学識経験者や住民代表らからなる検討委員会を設置。来年度末をめどに複数の候補地を選び、管理者に答申する。


 圏域内では現在、田辺市ごみ処理場(田辺市元町)、白浜町清掃センター(白浜町保呂)、すさみ町ごみ焼却場(すさみ町周参見)の三つのごみ焼却施設が稼働。みなべ町と上富田町から出る可燃ごみは、市ごみ処理場で焼却処理している。

 3施設とも長期間の使用で老朽化が進んでいることから、新たなごみ処理施設の整備が課題となっている。

 一方、ごみ処理については経済面や効率面の観点から、国が広域化を推進。組合では以前から、「将来的な施設の一本化」という方針を掲げている。

 組合は今年3月、ごみ処理施設の整備基本構想を策定。「安全・安定的なごみ処理をできる施設」「環境保全に配慮した施設」「資源循環・エネルギー回収に優れた施設」「経済性に優れた施設」―の四つを基本方針とし、ごみの焼却熱をエネルギーに変換する機能などを備えた新たな施設の整備を計画している。

 新施設では、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、プラスチック、ペットボトルを主な処理対象とする予定。

 11日には検討委員会の初会合があり、真砂管理者が委員(9人)に委嘱状を手渡した。委員長には吉田登・和歌山大学システム工学部教授が就いた。

 真砂管理者はあいさつで「住民の皆さんが生活する上で大変重要な施設だが、地域のご理解を頂けないと建設できない。透明性を確保した上で、公正かつ客観的な基準によって立地に適した用地を数カ所選定していただきたい」と述べた。

 委員会は今後、基本構想の検証などを踏まえた上で複数の候補地を選定。答申を受けた後、候補地の最終決定は組合を構成する5市町が行う。施設は今のところ、2037年度の供用開始を目指している。