和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

廣畑選手(熊野高2年)日本代表に ラグビー17歳以下、和歌山県内からは初

熊野高校グラウンドで練習する廣畑汰南選手(右)=和歌山県上富田町朝来で
熊野高校グラウンドで練習する廣畑汰南選手(右)=和歌山県上富田町朝来で
 熊野高校(和歌山県上富田町朝来)2年、ラグビー部の廣畑汰南(たな)選手(17)が、U17(17歳以下)日本代表に選ばれた。県からの選出は初めて。廣畑選手は「驚いたが、うれしい」と話している。かつて所属していた地元の少年チームは、快挙を喜び、今後のさらなる活躍を期待する。


 廣畑選手は、近畿選抜の一員として7月31日~8月3日に長野県上田市の菅平高原であった大会に出場。近畿選抜は全国9地区の選抜チームによるリーグ戦を制した。廣畑選手は全試合に途中から出場し、トライやゴールを決めるなど優勝に貢献した。この大会などでの活躍が認められ、代表の座を勝ち取った。

 代表メンバーは23人。9地区の選抜は各23人で、全国屈指の強豪校の選手たちと競い合って9倍の倍率をくぐり抜けた。

 代表チームは、26~31日に韓国である国際大会「日・中・韓ジュニア交流競技会」に出場する。この大会が「むちゃくちゃ楽しみ」と話す廣畑選手。「メンバーとしっかりコミュニケーションを取って友達になり、『何かやってくれるんじゃないか』と期待されてボールが回ってくる選手になりたい」と話す。

 周囲は強豪校の選手ばかりだが「地元に残っても、自分の努力と、高い意識を持って取り組めばやっていけるということをこれからも示していきたい」と意気込んでいる。

■「このまま成長を」 地元クラブ期待

 廣畑選手が小学生の時に所属した「梅干しジュニアクラブ」(田辺市)代表の小川雄三さん(63)は「代表選出は素晴らしいこと。この地域からでも代表選手になれるという道筋を示してくれた」と語り「これまでと同じように、自分のアイデアに自信を持って挑戦し続けてほしい」と願った。

 廣畑選手が中学生の時に学んだ「シーカラグビーアカデミー」(上富田町)代表の北條主税さん(44)は「小さい頃からラグビーが大好きで、プロの試合をよく見ていた。良いプレーがあると『今度試してみよう』という子だった」と振り返る。

 北條さんによると、クラブに所属する子どもたちに廣畑選手が代表選出を報告し「和歌山からでもやれるんだ」と話した際、子どもたちのまなざしは輝いていたという。「彼は小学生の時から『(フル)代表に入る』と目標を語っていた。このまま成長し、その目標を実現してもらいたい」と期待した。

 廣畑選手は西富田小、上富田中の出身。熊野高ラグビー部員だった父親の憲さん(43)によると、名前の由来はニュージーランド代表だったタナ・ウマガ氏。熊野高校では司令塔のスタンドオフとしてプレーすることが多いが、代表はフルバックとして選出された。複数のポジションをこなせるという。