和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

23年度の利用 過去最少 25年度に新運行形態へ、和歌山県みなべのコミバス

町内を運行するコミュニティーバス(和歌山県みなべ町芝で)
町内を運行するコミュニティーバス(和歌山県みなべ町芝で)
和歌山県みなべ町コミュニティーバスの利用状況(延べ人数)
和歌山県みなべ町コミュニティーバスの利用状況(延べ人数)
 和歌山県みなべ町内で運行するコミュニティーバス(コミバス)の2023年度の延べ利用者数は2456人で、過去最少を更新したことが、町のまとめで分かった。町は現状を把握し課題を洗い出すため和歌山大学に調査研究を委託しており、本年度は検証結果に基づき運行業者と協議しながら見直しを進め、25年度から新たな運行形態でスタートを切る予定。


 バスは、町から委託を受けた南部タクシーが、事前に予約を受け付ける「デマンドタクシー方式」で運行している。9人乗り車両で、ルートは山間東部(清川方面)、山間西部(高城方面)、岩代地域、中心部(南部・上南部・鶴の湯)の四つ。中心部以外の3ルートは隔日運行となっている。料金は中学生以上300円、小学生150円、乳幼児無料で、町民以外でも同額で利用できる。

 23年度の延べ利用者数は、コロナ禍の影響で利用者が大幅に減った20年度(3056人)、21年度(2888人)、22年度(2716人)より少なく、運行が始まった07年度以降で初めて2500人を下回った。最も多かった08年度は9021人いたが、その3割弱にまで減った。

 ルート別でみると、中心部が873人で、22年度より296人減った。清川方面は1137人で40人減少した。一方、高城方面は255人で49人増え、岩代地域は191人で27人増えた。

 月別では、観梅シーズンの2月が164人で最も少なく、22年度から111人減った。暖冬で梅林の開園期間が短かったことも影響しているとみられる。

 町から調査研究を委託された辻本勝久・和歌山大学経済学部教授の研究室は、昨年8月から9月にかけて町内の15歳以上の2千人(無作為抽出)にアンケートを実施、834人が回答した。9月にはバス利用者にアンケートをし、38人から回答があった。

 町政策推進課によると、アンケートには、予約の仕方が分かりにくい▽電話予約だけでなくスマートフォンやパソコンのインターネットから予約できるようにしてほしい▽利用したい時間帯にバスがない▽行きたい所にバスの経路がない―などの意見が寄せられた。大学側からは、運行経路の見直しや、運行日を増やすことなどが提案されたという。