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2024年11月26日(火)

第五福竜丸 被ばく70年 11日まで 和歌山県串本で「平和の歴史展」

水爆実験で被害を受けたマーシャル諸島の島民らを捉えた写真などが並ぶ会場(6日、和歌山県串本町串本で)
水爆実験で被害を受けたマーシャル諸島の島民らを捉えた写真などが並ぶ会場(6日、和歌山県串本町串本で)
 太平洋のビキニ環礁でアメリカが実施した水爆実験によってマグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくして今年で70年を迎えた。和歌山県串本町串本の町文化センターで6日から、被ばく者の写真などを並べた「平和の歴史展」(実行委員会主催)が始まった。展示は11日までで、午前10時~午後5時。入場無料。


 第五福竜丸は1947年、古座川の中州、旧古座町(現串本町)にあった造船所でカツオ漁船第七事代丸として建造された。その後、静岡県焼津港のマグロ漁船となった。54年3月1日、水爆実験で乗組員23人が被ばくし、うち1人が死亡した。

 歴史展は、世界の核実験被害地などを取材するフォトジャーナリストの豊崎博光さんが水爆実験で被災したマーシャル諸島で人物や風景を撮影した写真などが並んでいる。原爆が投下された広島や長崎の当時を表す写真や、原水爆禁止の運動に57年から取り組む串本町の活動を示した写真や資料などもある。

 会場では第五福竜丸の設計書や当時の船大工道具、造船所のジオラマなどの常設展示もある。

 6日、串本中学校1~3年生約100人が町文化センターで戦争に関連した映画を鑑賞。展示にも足を運び、悲惨な史実を伝える写真などを真剣に見ていた。

 中学3年の女子生徒は「授業より、昔の状況がより細かく分かった。歴史を伝えていくのが難しくなっている中で、私たちが新たに勉強して忘れてはいけないと感じた」と話した。

 実行委員会の西野政和委員長(76)は「第五福竜丸の乗員だけでなく、マーシャル諸島の住民や兵士も被ばくした。核実験では多くの人が被ばくし今も苦しんでいる。核兵器の残虐性、非人間性を若い人に知ってもらいたい」と呼びかけている。

 展示に合わせ、10日午前10時からと午後1時から、町文化センター2階の視聴覚室で映画「第五福竜丸」を上映する。先着50人。11日は午前10時から、東京都立第五福竜丸展示館の安田和也学芸員の講演がある。

 問い合わせは町教育委員会(0735・67・7260)へ。