和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年09月08日(日)

デジタル生かし地方創生

 和歌山県田辺市は本年度、社会課題を踏まえた第3期総合戦略となる「市デジタル田園都市総合戦略」を策定する。戦略について意見を出し合う有識者会議の初会合がこのほどあり、各分野から選ばれた委員らが市の現状などを確認した。

 市は、人口減少に歯止めをかける「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、戦略の基本となる人口ビジョンと第1期総合戦略を2015年度にまとめた。20年度には第2期総合戦略を策定し、本年度に最終年度を迎える。

 第3期総合戦略は、国の「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を踏まえて策定。デジタルの力も活用しながら、地域の課題解決に向けた取り組みを進める。計画期間は25~27年度。

 この日の会合は市役所(東山1丁目)であり、産業界や教育、金融機関などの代表者ら計17人が委員に委嘱された。座長には和歌山大学経済学部准教授の藤田和史さんを選んだ。

 市の担当者が、第2期総合戦略で掲げたさまざまな数値目標の達成状況を説明。転出超過数は23年度までに年間320人に抑えることが目標だったが、実際は434人だった。

 今後は、市民や都市部住民、高校生らを対象に子育てや移住、高校卒業後の進路などに関するアンケートを実施。各種団体への聞き取り調査もする。

 有識者会議は年度内にあと3回開き、来年3月末までに人口ビジョン改訂版と第3期総合戦略を策定する予定。