和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

観光のタクシー代を半額助成 世界遺産「長尾坂・潮見峠越」など3区間で、和歌山・田辺市

潮見峠越のルートの途中にある「捻木の杉」(和歌山県田辺市上野で)
潮見峠越のルートの途中にある「捻木の杉」(和歌山県田辺市上野で)
 世界遺産の熊野古道「長尾坂・潮見峠越」などを訪れる観光客の利便性を向上しようと、和歌山県田辺市は来年度から、タクシー利用料金の助成を始める方針だ。JR紀伊田辺駅と、アクセスが不便な場所にある市内の観光地を結ぶ3区間について、タクシー料金のほぼ半額を補助する内容。開会中の3月市議会に関連予算90万円を提案している。


 長尾坂・潮見峠越は2016年、世界遺産に追加登録された。市は二次交通を充実させようと、田辺駅から長尾坂に近い「長尾口」までを結ぶ「観光長野線バス」(土日曜)を17年度から運行。18年度は年間202人が乗車したが、その後はコロナ禍などもあり、利用が少なくなっていた。23年度は2月末までで20人にとどまっている。

 そこで市は、長野線バスの運行を3月末で終了。代わりに、タクシー料金助成事業を実施する方針を決めた。長尾坂・潮見峠越のほか、低山トラベル人気で来訪者が増えている「ひき岩群」(稲成町)、「紀州石神田辺梅林」(上芳養)も対象とする。

 タクシーは需要に応じて運行するため、乗客が時刻表にとらわれずに移動できるとともに、市にとっても費用対効果が高められるメリットがあるという。

 補助額は、田辺駅―長尾口(片道2千円)▽田辺駅―「ふるさと自然公園センター(ひき岩群)」(千円)▽田辺駅―紀州石神田辺梅林(3千円)―の予定。