和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月26日(木)

【動画】眼下に「雲海」 熊野古道から秋の絶景、和歌山・田辺市の中辺路

熊野古道の眼下に広がった雲海(13日午前5時53分、和歌山県田辺市中辺路町で)
熊野古道の眼下に広がった雲海(13日午前5時53分、和歌山県田辺市中辺路町で)
田んぼのあぜで赤い花を咲かせたヒガンバナ(13日、和歌山県白浜町大古で)
田んぼのあぜで赤い花を咲かせたヒガンバナ(13日、和歌山県白浜町大古で)
 和歌山県の紀南地方に秋の気配が漂い始めた。田辺市中辺路町の山中を通る熊野古道のルート沿いでは13日早朝、眼下の富田川流域に雲海が広がった。秋の花として親しまれているヒガンバナも各地で咲き出している。


 雲海は昼との寒暖差が大きくて湿度が高く、風のない朝に発生しやすい。秋の風物詩として知られる。

 観賞スポットがあるのは世界遺産に登録されている熊野古道の潮見峠から小皆方面に700メートルほど行った場所。東に向かって眺望が開けている。

 昼間は30度ほどになって残暑が厳しいが、本紙記者がこの日午前5時ごろに観賞スポットを訪れた際の気温は車載の温度計で21度。半袖では肌寒かった。太陽は午前5時50分ごろに東の山並みから現れ、照らされた雲海は黄金色に染まった。

 この場所の「対岸」に当たる中辺路町高原も、雲海の観賞スポットとして有名だ。この日の朝、写真撮影に訪れていた京都市の男性(80)は「見事な雲海を見ることができて良かった。今シーズンは潮見峠からの撮影にも挑戦したい」と笑顔を見せた。

■ヒガンバナも咲き始め


 ヒガンバナも鮮やかな赤い花を咲かせ始めた。

 白浜町大古では、栗山圭治さん(68)宅そばの田んぼのあぜで開花。栗山さんは「朝晩は涼しくなった。ヒガンバナを見ると秋の訪れを感じる」と話した。

 ヒガンバナは、人里に近い所に群生するヒガンバナ科の多年草。昔、中国から渡来したものが広がったといわれる。30~50センチの花茎を伸ばし、赤色の花を輪状につける。別名・曼珠沙華(マンジュシャゲ)。彼岸のころに咲くのが名前の由来という。