和歌山県後期高齢者医療広域連合（和歌山市）は２５日、特定疾病の高額療養費の支給特例で、過払いが判明したと発表した。２０１６年１月以降、７年１０カ月にわたり、１４１６人分計２４８８万３３１円を余分に支給していたといい、対象者に返金を求めていく。

　高額療養費の支給特例は、長期間にわたって著しく高額な医療費が必要となる特定疾病である、血友病、人工透析をしている慢性腎不全、血液製剤によるエイズウイルス（ＨＩＶ）感染症の治療について、自己負担額を引き下げる制度。自己負担は「１医療機関当たり月額１万円」に抑え、これを超えた分を広域連合が負担する。

　しかし、担当者が１１月に支給要件を確認したところ、これまで、自己負担額を「複数の医療機関を合わせて月額１万円」と誤認し、余分に支給していたことが発覚。１５年度当時の担当者が誤認し、１６年１月から今年１０月まで（診療年月は１５年１０月～今年７月）支給。途中、担当者の交代もあったが、誤ったまま引き継がれ、再確認も怠っていたという。

　広域連合は「高額療養費のほか、各支給要件の再点検と、担当者の交代時の再確認を徹底し、再発防止に努める」としている。返金は、他制度を踏まえて再計算した上で、時効にならない５年以内に支給した人を対象に求めていくという。