和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月30日(月)

串本町、給食を無償化へ 24年度は中学校、25年度からこども園と小学校も、和歌山

串本町役場(和歌山県串本町)
串本町役場(和歌山県串本町)
 和歌山県串本町は、こども園や小中学校の給食費を段階的に無償化する方針を固めた。まずは2024年度に中学校で実施し、25年度からこども園と小学校も対象にする考えだ。

 13日の町議会12月定例会一般質問で、五十川清紀議員(無)の質問に田嶋勝正町長が答弁して明らかにした。

 町によると、当初は串本小学校と橋杭小学校を統合して新たに発足する小学校が開校を予定している26年4月ごろに無償化する見通しを立てていた。しかし、歯止めがかからない物価高騰など、社会情勢が変化していることや、国や県が子育て支援策を打ち出そうとしていることから、町としても前倒しで実施することにした。

 町教育委員会によると、町の給食センターでは町内の全小中学校(古座川町の古座中学校を含む)、こども園に1日計約千食を配食している。本年度の当初予算では、給食センターに係る総予算として約1億7千万円を計上。材料費約6500万円の内、約4300万円を保護者に負担してもらっている。光熱水費や材料費が高騰している中、給食費を値上げせず、町が一部を賄っている。

 無償化に伴う財源として、ふるさと納税の活用を見込んでいる。ただ、本年度は約4億8千万円の寄付額が見込めるが、来年度以降どうなるかは不透明。このため、給食費の無償化に向けた国、県の動きを見ながら、段階的に実施していくとしている。

 田嶋町長は「子どもの安全安心を守るために施設の建設を進めてきた。あとは経済的にもバックアップしようと無償化を決めた。議員や父兄の意見もあったので思い切って前倒しした」と話した。