和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月11日(金)

「誰一人取り残さない」 串本町が子育て支援、ヤングケアラーの負担も軽く

子育て支援
子育て支援
 和歌山県串本町は、親の介護やきょうだいの世話をしている18歳未満の子ども「ヤングケアラー」のいる家庭や子育て世帯の支援を計画している。対象家庭に支援員を派遣し、子どもや保護者の不安や負担の軽減を図る。


 対象は、家事・育児に不安や負担を抱えている子育て世帯▽ヤングケアラーのいる家庭▽支援の必要性が高い妊産婦―など。食事の準備や洗濯、掃除などの家事支援、一時的な子どもの保育や保育所の送迎など育児支援を予定している。

 町は家庭から支援申請を受け、委託を受けた地域の福祉事業所が支援員を対象家庭に派遣する。支援が必要な家庭から声を上げるのが難しかったり、支援の情報が届いていなかったりする場合もあるため、町が各種支援活動を通じて、仕組みを伝えていく。

 開始は7月以降の見通し。利用者負担は求めない方針で、町は訪問支援の費用や交通費などの補助金約150万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を、13日開会の町議会6月定例会に提出する。

 9日に記者会見した田嶋勝正町長は「少子高齢化が進む中で、子育てに優しい環境づくりは重要。誰一人取り残さないというメッセージを発信したい」と話した。

 県が2021年度に実施した中高生の実態調査では、中学2年生の4・7%、全日制高校2年生の3・9%、定時制高校2年生相当の13・8%が日常的に「家族のケアをしている」と回答した。

■6千円分の商品券 全町民対象に配布

 串本町は9日、3億3405万円を追加する2023年度一般会計補正予算案(総額108億8653万円)や条例の改正など議案11件を、13日開会の町議会6月定例会に提案すると発表した。

 主な補正は、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金支給事業の1億571万円で、低所得者世帯(住民税非課税世帯など)に1世帯あたり3万円を支給する。7月から対象世帯の口座へ振り込む。

 また、全町民約1万4600人を対象に、商品券を配布する。事業費は9336万円。1人6千円分で3千円は町内商店で、残る3千円は大型店でも使用できるようにする。7月上旬に引換券を郵送し、その後郵便局や集会所に引換所を設ける。

 ほかに、旧くしもとこども園跡地の公園整備事業で、園舎の解体工事や公園整備の基本設計に1457万円、訪日外国人客の誘致に向けた観光コンテンツ造成に250万円を盛り込んでいる。

 6月定例会の会期は26日までの14日間で、一般質問は21、22、23日の予定。