和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

午後5時以降は会議しません 和歌山県が業務の「時間消費削減」宣言

時間消費削減宣言の八つのポイント
時間消費削減宣言の八つのポイント
 和歌山県は今月から、職員の業務効率化や生活とのバランスを図るため「時間消費削減宣言」の取り組みを始めた。所属長らが部下の業務時間削減につなげる。各職員が自分の業務に集中できる時間を設けようと、午後5時以降は、会議や新たな業務指示を原則禁止した。

 岸本周平知事は就任後、職員の働き方が効率的ではないとして改善を検討していた。本年度新設した「行政企画課」と「行政管理課」の職員から「時間消費削減宣言」の提案があり、今月から取り組むことにした。振興局や県教育委員会も対象とする。

 「宣言」は8項目あり、その一つは「自分時間」の導入。職員の勤務時間は原則午後5時45分までだが、午後5時以降は各職員が帰り支度のための業務の整理や、挑戦したいが取り組めなかった企画に集中する時間などにする。そのため、この時間は会議や打ち合わせ、県庁内での電話による依頼・照会、所属長からの新たな業務指示を原則禁止。ただ、緊急時は例外で、外部対応は制限しない。

 また、電話は相手の作業を中断させるとし「自分時間」以外でも、緊急を要しない案件は、文章で会話ができる庁内システムの「チャット機能」を使うよう促している。

■知事「職員の4割を」 リモートワーク活用

 自宅など職場外で、パソコンなどを使用して勤務できる「リモートワーク」の活用も促す。コロナ禍後は育児や介護中の職員が利用できるようにしているが、岸本知事は「完全に(誰でも)リモートワークできないか検討するよう人事課に指示している。職員の4割ほどができるようにし、空いた庁内スペースを有効利用したい」という。

 また、現在は全職員を対象に出勤時刻と退勤時刻をずらせる「時差勤務制度」を設けており、1日単位で4区分から選択できるが、これを拡充し「(勤務時間も調整できる)完全フレックスタイム制の実施を検討したい」としている。

 このほか、速やかに決裁できるルートの設定▽資料作成を削減・簡素化し、利用していない資料を慣例的に作っていないかなどチェック▽協議や説明は紙を使わず、案件によっては「チャット機能」で済ますことも呼びかけている。

 岸本知事は「アリバイ作りのような会議はやめる。資料の簡素化もお願いしたいし、デジタルツールも積極的に使ってほしい。これから大胆に柔軟で効率的な働き方を実践していきたい」と話している。