和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月23日(土)

議員定数削減案を可決 みなべ町議会、2減の12に

和歌山県みなべ町役場
和歌山県みなべ町役場
 和歌山県みなべ町議会の5月定例会が29日にあり、現行14の議員定数を2減の12にする条例の一部改正案が議員発議で提案され、賛成多数で可決。波乱含みの定数議論はようやく決着した。次期町議選(2024年10月23日任期満了)から適用する。


 条例改正案は、議員定数等検討特別委員会の副委員長を務めた下村勤議員(無)が発議し、谷本吉弘議員(無)と宮崎繁幸議員(無)、出口晴夫議員(無)が賛成者となった。

 討論で同委員会の委員長だった天野仁議員(無)が「昭和の合併では町民の一体化が課題となった。平成の合併はそれより大きく、削減すれば大変になる。議会への幅広い参画が難しくなる」、池田三千留議員(共産)は「民意を受け止めるには窓口は大きい方がよい。今まで無投票当選はなかった」、真造賢二議員(無)は「削減の理由が分からない。民意をいえば現状維持で、削減は町民にメリットはない」と反対を訴えた。

 一方、宮崎議員が「削減は民意。維持となり、また削減の意見が出てくればどういう返事をするのか」、丸山幸雄議員(無)が「信頼を得る議会でなくてはならない」、出口議員が「削減すれば議会の力が低下すると言われるが、工夫して魅力を高めていけばよい」と賛成を主張した。

 採決は原田覚議長(無)を除く13人による挙手で行い、賛成7、反対6の賛成多数となった。

 3月9日にあった議員定数等検討特別委員会では、天野委員長を除く13人で定数の「削減」か「現状維持」かを採決した結果、7対6で「削減」が多かった。本会議での採決は、「削減」派の原田議長が抜ける一方で、「現状維持」派とされる天野委員長が加わることから、特別委と同じように考えが分かれれば、条例改正案が否決され「現状維持」となるが、一部の議員が考えを変えたことで「削減」が多数となった。

 議員定数をどうするかの議論は、採決が小差だったのに加え、天野委員長が条例改正案の発議者になることについて再考を求めたことなどで波乱が続いた。

 みなべ町議会での議員定数削減は、2008年に「16」を「14」にして以来。同町は04年に南部町と南部川村が合併して誕生しており、それ以降だと削減は2回目。