和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

【動画】舞う光が初夏告げる 和歌山県南部の里山でホタル

紀南地方で飛び始めたゲンジボタル(15日午後8時半ごろ、和歌山県田辺市長野で)=露出時間約80秒
紀南地方で飛び始めたゲンジボタル(15日午後8時半ごろ、和歌山県田辺市長野で)=露出時間約80秒
 和歌山県紀南地方の各地でゲンジボタルが舞い始め、幻想的な光で初夏の訪れを告げている。ホタルでまちおこしに取り組む田辺市長野の地域づくり団体「長野郷明会」は20日、長野小学校近くにある長野ひかりの館を主会場に「ホタル観賞会」を開催する。毎年この時季の風物詩として親しまれてきたイベントだが、コロナ禍の影響で2019年以来4年ぶりとなる。


 長野ひかりの館前を流れる左会津川の支流では15日、午後7時半ごろからゲンジボタルがポツポツと飛び始めた。この日は15匹ほどが確認でき、幻想的な光を放ちながら飛び交った。

 長野ひかりの館の中には、長野小学校(嶝口尚美校長、15人)の児童が、久しぶりの観賞会を盛り上げたいとプラスチックの板にホタルの絵を描いた作品を展示。イルミネーションで優しく照らし、ドアのガラス越しに周囲を飛び交うホタルと共演していた。

 観賞会は1990年から開催。2011年の紀伊半島大水害により河川が荒れた影響による中止とコロナ禍による中止以外は毎年開いており、今年で30回の節目を迎える。

 ただ、ホタルの観賞時期が地区の主産業である梅の収穫時期と重なること、地区の過疎化や高齢化によるマンパワー不足から、飲食物の屋台販売などをする形でのホタル観賞会は今回でいったん終了するという。

 長野郷明会の森貴之会長(53)は「ホタルの里として、イベント当日はもちろん、それ以外の日でも長野に足を運びホタルを見てもらえればうれしい」と話している。

 20日は夕方から午後9時まで開催。地元の女性グループや公民館、牟婁商工会などが共催し、カレーライスや豚汁などを販売する予定。

 問い合わせは、長野公民館(0739・34・0022)へ。