和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月21日(木)

オーサムのatagiさんが校歌 開校の南紀はまゆう支援

南紀はまゆう支援学校の校歌を作ったatagiさん=事務所提供((C)cutting edge)
南紀はまゆう支援学校の校歌を作ったatagiさん=事務所提供((C)cutting edge)
南紀はまゆう支援学校の校章
南紀はまゆう支援学校の校章
 和歌山県上富田町岩田で二つの支援学校が統合し、今月開校した「南紀はまゆう支援学校」の校歌を、バンド「Awesome City Club(オーサムシティクラブ)」のメンバーで上富田町出身のatagi(アタギ)さん=東京都=が作詞・作曲した。10日の始業式で初めて披露される。


 同校は地域の特別支援の拠点校として、肢体不自由児が学ぶ「南紀支援学校」と、知的障害児と聴覚障害児が学ぶ「はまゆう支援学校」を再編統合した。

 両校の教職員による校歌・校章のプロジェクトチームが保護者や学校運営に携わる人たちの思いを聞き、「地域の特別支援教育のシンボルになるような校歌を」とatagiさんに校歌の制作を依頼した。

 校歌は3番まで。牟婁の山々や富田川、ハマユウの花など紀南の情景を描き、未来に向かって学びやに夢や笑顔が集うさまを歌っている。

 atagiさんは、紀南の風土で育った身として、自然の豊かさを人間の心の成長とともに描くことができればとの思いを込め、作詞作曲したという。「大変光栄なこと。大きな責任を感じていたが、お世話になった故郷への恩返しや、未来ある子どもたちへ作品を残すことができるうれしさは、何物にも代え難い経験になった」とコメントした。

 オーサムシティクラブは男女ツインボーカルの3人組バンド。atagiさんはボーカルを担当し、楽曲のほとんどを作曲している。2021年に発表した「勿忘(わすれな)」が大ブレークし、同年末の紅白歌合戦にも出場した。


■校章は岩田直樹さん 「しなやかに活躍を」

 校章は、和歌山ろう学校出身で「耳の聞こえないグラフィックデザイナー」として活躍している岩田直樹さん=紀の川市出身=が、南紀支援学校の「南」と、ハマユウの花をモチーフにデザインした。

 「南」の中に旗をデザインし、清らかな風や、嵐に吹かれても、しなやかにたくましく育ってほしいという意味を込めた。

 岩田さんはデジタル庁公募の「デジタルの日」ロゴ作成者に選ばれた。22年度には県文化奨励賞を受賞した。

 小原美佐香校長は「atagiさん、岩田さんとのご縁に感謝したい。校歌は口ずさみやすく、体を動かしたくなるようなリズム。また、社会に出て活躍している岩田さんの姿は在校生の励みになる」と話した。