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2024年11月25日(月)

猫の殺処分、6年で8割減 和歌山県

猫の殺処分など
猫の殺処分など
 2021年度の和歌山県による猫の殺処分件数が、「地域猫対策」を条例化する前の15年度と比べて8割減ったことが分かった。県は今後も地域猫対策や譲渡を推進し、将来的には殺処分ゼロを目指している。


 殺処分件数は、15年度は2478匹だったが、21年度には82・9%減の423匹となった。

 県は18年度から、殺処分の統計を国の方針に基づき、治癒の見込みがない病気や攻撃性があるなど譲渡が適切でない場合▽自然死▽それ以外で譲渡先が見つからない、収容施設がないなどに分類。17年度策定の「第2次動物愛護管理推進計画」(26年度まで)で「それ以外」をゼロにする目標を立てた。18年度は231匹だったが、20年度に初めてゼロを達成し、21年度も続いた。

 県によると、殺処分数の減少は、飼い主からの引き取りによる保健所への収容数などの減少、返還や譲渡数の増加が要因。収容数は、15年度の2579匹から21年度には1186匹と54・0%減少した。

 16年に条例化した地域猫対策は、周辺住民の生活に配慮するなど野良猫に餌を与える際の順守事項を定め、認定した活動者に不妊去勢手術費用などを支援する制度。それまで野良猫に餌をやる人がいたことから繁殖し、ふん害など住民から苦情が相次いでいた。

 認定した地域猫の活動者数は、対策初年度の16年度は15市町72地域232人(地域猫468匹)だったが、21年度までには29市町779地域の1946人(6244匹)に増加。6年間で5780匹に不妊去勢手術を実施した。これが収容数減につながっている。

 21年度に収容された猫のうち、返還や譲渡した数は718匹で、返還・譲渡割合は60・5%。15年度の101匹(3・9%)から大幅に増えた。譲渡前に人慣れさせる一時預かりなどのボランティア登録制度を16年度から始めた効果が大きいという。苦情・相談件数は増加傾向にあったが、15年度の2285件をピークに減少し、21年度は34・8%減の1490件となった。

 一方、犬の殺処分数も、15年度は272匹だったのが21年度には52匹と80・9%減少。収容数は15年度の520匹から、21年度は289匹に減り、収容数に占める飼い主への返還や譲渡の割合は49・2%から90・0%に増加した。苦情相談件数も15年度までは1500件前後を推移したが、21年度は950件となった。


■殺処分、さらに減へ

 県は23年度から10年間の「第3次動物愛護管理推進計画」を策定する。

 計画案では、5年後の収容数を猫は21年度の8割減(200匹)、犬は9割減(20匹)、殺処分数を猫は60匹、犬は2匹とする目標を立てている。苦情・相談件数も5年後には7割減の700件、10年後には9割減の220件にするとしている。

 法改正に基づき、犬猫販売業者に義務化された管理基準が順守されるよう監視指導を強化することや、マイクロチップ装着の普及啓発も盛り込む予定という。