和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

長野県からはるばるアサギマダラ 田辺市龍神で確認

長野県宮田村から飛来したアサギマダラ。羽に文字が書かれている(和歌山県田辺市龍神村殿原で)
長野県宮田村から飛来したアサギマダラ。羽に文字が書かれている(和歌山県田辺市龍神村殿原で)
 和歌山県田辺市龍神村殿原の住民有志が休耕田を整備して設けた「ふじばかま園」に、羽に文字が書かれたアサギマダラ(タテハチョウ科)が飛来した。文字の内容から、長野県の南部に位置する宮田村から飛んできたことが分かった。


 アサギマダラは、長距離を移動する「旅するチョウ」として知られる。ふじばかま園は、殿原の住民有志10人でつくる「殿原環境美化グループ」が、地域の新しい見どころになればと整備を計画。荒れていた休耕田を草引きなどをしてきれいにし、今年4月と5月にアサギマダラが好むフジバカマ(キク科)の苗約200本を植えた。

 グループの代表で、自宅ガレージを改造して近隣住民の交流の場「小町茶屋」を設けている杉本町子さん(72)によると、10月に入ってから多くのアサギマダラが飛来。多いときは連日100匹以上が花の間を飛び交い、多くの人が見学や写真撮影に訪れたという。

 13日には、羽に「NMV」「9/25」などと書かれたアサギマダラを見つけた。これは移動状況を調べるため捕獲場所などを示すマーキングで、大阪市立自然史博物館が調べたところ、長野県宮田村の「アサギマダラの里」で9月25日にマーキングされたものだと分かった。

 宮田村観光協会によると、「アサギマダラの里」には約4千株のフジバカマを植えており、多くのアサギマダラが飛来する。開園した2015年以降、毎年マーキングを実施しており、龍神村で確認されたのはその中の1匹という。

 杉本さんは「遠くまで飛んできてくれて、『旅するチョウ』ってすごいなと思う。アサギマダラをたくさん呼ぼうという目標も達成でき、皆さんに喜んでもらえて幸せ。また来年もアサギマダラに来てもらい、地域がにぎわってくれたら」と話している。

 「ふじばかま園」では今季、それぞれ別のマーキングがあるアサギマダラ数匹も見つかっている。