和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

児童が防災デイキャンプ 地震、土砂災害に備え

紙パックをはさみで切って皿やスプーンを作る児童(和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で)
紙パックをはさみで切って皿やスプーンを作る児童(和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で)
田辺市防災まちづくり課の職員が持参した市の折り畳み式テントを見学する児童
田辺市防災まちづくり課の職員が持参した市の折り畳み式テントを見学する児童
 地震や土砂災害に備えようと和歌山県田辺市龍神村湯ノ又の龍神小学校が24日、防災デイキャンプを実施した。防災に詳しい講師を迎え、全校児童10人が新聞紙でスリッパを作ったり、自炊体験をしたりしたほか、市の職員から土砂災害について話を聞いた。


 同校では年間を通した防災教育の一つとして、避難所に見立てた教室に1泊する避難生活の体験や市職員から防災について学ぶ防災キャンプを実施している。

 一昨年は新型コロナウイルスの影響で中止したが、「コロナ下でもできる防災教育を」と昨年からデイキャンプを実施。自然災害で龍神村が孤立した場合どうするか、防災を「自分ごと」として捉えることと互いに協力し合うことの大切さを学んでいる。

 この日は上富田町の「出張!ふれあいルーム」代表の幾島浩恵さんを講師に迎え、新聞紙で靴カバーにもなるスリッパ作りに挑戦。低学年の児童も短時間で完成させることができた。

 断水した時にトイレで困らない方法として、ビニール袋と凝固剤を使った処理の仕方を学んだ。水を入れたビニール袋に凝固剤を入れ、どのように固まるかの実験もした。「思った以上にしっかり固まっている」と児童らは感心していた。

 自炊体験では湯煎でご飯を炊き、レトルトカレーを試食。その際に利用するスプーンや皿も、児童らが紙パックをはさみで切って作った。幾島さんは「どんな形が使いやすいか自分で考えながら加工して」などと指導した。

 市防災まちづくり課の職員からは「土砂災害に備えて」のテーマで話を聞いた。職員が、土砂災害が起こる原因▽過去の龍神村での土砂災害▽防災パック(非常用持ち出し袋)の中身を考える―の3点をスライドを交えて説明した。児童は、職員が持参した市の折り畳み式テントも見学した。

 デイキャンプの締めくくりに児童らがこの日の感想を発表。「自作の食器は食べにくかったが、紙パックとかも役立つと分かった」「自分の家の周りの危険箇所をチェックしたい」などと話し、体験の効果をうかがわせていた。

 阿波宏樹校長は「自分で考え体験すれば、その時はうまくできなくても次はもっとうまくいく」と話した。