和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

果肉が赤い梅「露茜」の収穫本番 みなべ町、加工用に出荷

大きさで選別される露茜。熟して赤くなっている(26日、和歌山県みなべ町気佐藤で)
大きさで選別される露茜。熟して赤くなっている(26日、和歌山県みなべ町気佐藤で)
 果皮や果肉が赤いのが特徴の梅「露茜」が、和歌山県みなべ町などで収穫期を迎えている。同町気佐藤にあるJA紀州統合選果場では、より赤くするために設備を使って追熟させ、県内外の酒造会社などに加工用として出荷している。7月上旬まで続く。


 露茜はスモモ「笠原巴旦杏」と旧南部川村産の梅「養青」の交雑種で、2009年に品種登録された。赤色色素が豊富なことから赤い加工品を作ることができるのが特徴。老化防止作用があるとされるポリフェノールの一種「アントシアニン」が豊富なことも注目されている。

 同町の清川や高城地域を中心に、同町や印南町の農家68戸が栽培している。今季は平野部では平年並みの13日ごろから、山間部の清川や高城地域では20日ごろから本格的に収穫が始まった。各農家はJA紀州の荷受けに合わせ1週間に2回ペースで収穫し、統合選果場や各地にある集荷場に持ち込んでいる。

 統合選果場にはエチレンガスで実の成熟を促進するための設備がある。約2日間入れておく。その後、職員らが実の傷を確認しながら大きさで選別している。

 JA紀州みなべ営農販売センターによると、今季の収穫量は大豊作だった昨年よりも少ないが、平年より少し多いとみられ、出荷量は10トン強を見込んでいる。主には県内外の酒造会社や菓子製造会社に出荷され、特徴を生かしたシロップや菓子などに加工される。東京や名古屋、大阪の市場にも出荷される。