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2024年12月21日(土)

病院移転費を計上 すさみ町、22年度予算案

紀勢自動車道すさみインターチェンジ近くにできる「すさみ病院」の完成イメージ図(和歌山県すさみ町提供)
紀勢自動車道すさみインターチェンジ近くにできる「すさみ病院」の完成イメージ図(和歌山県すさみ町提供)
 和歌山県すさみ町は4日、総額44億4600万円とする2022年度の一般会計当初予算案を発表した。住民1人につき1万円分の商品券配布や、同町周参見の防地地区に避難施設を整備するための費用を盛り込んだ。すさみ病院の特別会計には、新築移転の事業費として7億6985万円を計上。来年8月に工事を終え、10月に開業したいという。

【歳入】

 町税は3億9132万円。貯金に当たる財政調整基金からは3億9118万円を取り崩す。これらを含む自主財源の割合は27・5%(12億2465万円)になる。

 地方交付税は22億2千万円。借金に当たる町債は3億6180万円で、22年度末の残高見込みは約55億円。

【歳出】

 商品券の配布は、新型コロナウイルスの影響を受ける住民支援策で、5度目になる。事業費は3750万円。

 防地地区に造る避難所は鉄骨2階建て(延べ床面積約250平方メートル)の計画で、予算案には1億270万円を計上した。台風や大雨で周参見川が氾濫した場合に備える。町では「大地震や津波の対策にもなる」と期待している。

 このほか、同町里野の避難所造成工事費6480万円▽新築や空き家の改修に補助を出す定住支援事業費1348万円▽補聴器購入助成100万円―などを盛り込んだ。

■新病院 来年完成へ

 すさみ病院の移転先は、紀勢自動車道すさみインターチェンジ近くの造成地。町の計画では、鉄骨2階建て(延べ床面積2745平方メートル)を整備する。病床数は「25」とする。医師数や診療科は変えない方針という。

 病院を新築するのは、巨大地震の浸水想定区域内にあることなどが理由。町施設の〝高台移転〟は周参見保育所、すさみ消防署などが入る防災センター、給食センターに続く4例目となる。病院の移転事業費は計16億4859万円に上るという。

 岩田勉町長は「新たにできる病院が町の負担にならないようにしていきたい」と話している。毎年、一般会計から病院会計への繰り出し金があり、22年度予算案では2億6500万円を計上している。うち5164万円は建設事業に充てるとしている。