和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月27日(水)

【紀南探検隊】パート9(4)穴の開いたダム/那智勝浦町の小匠ダム

林道がダム本体をトンネルで貫通している小匠ダム(和歌山県那智勝浦町小匠で)
林道がダム本体をトンネルで貫通している小匠ダム(和歌山県那智勝浦町小匠で)
林道がダム本体をトンネルで貫通している小匠ダム(和歌山県那智勝浦町小匠で)
林道がダム本体をトンネルで貫通している小匠ダム(和歌山県那智勝浦町小匠で)
 和歌山県那智勝浦町に穴の開いたダムがあるとの情報が入った。もちろん、水もためていない。そんなダムが役に立つのだろうか。検証のため、穴開きダムの異称を持つ小匠ダムに向かった。

 国道42号の市屋交差点から山側に向かって車で15分ほど走った所にあるらしい。小匠にある神社までは順調にたどり着いたが、カーナビにはその先の道が表示されない。グーグルマップでも道路が途中から灰色の点線で表示される。

 「この道で間違いないのか。もしかして、徒歩じゃないと行けないとか」。ダムの方角へと続く、狭い林道を恐る恐る走ること数分、ようやくダムが姿を現した。

 確かにダム湖はない。小匠ダムは50年以上前に建設された古い防災ダムで、洪水が起きそうな時だけ水をためる仕組みになっている。今まで走ってきた林道がトンネルでダムを貫いているが、ここも災害時には閉じる仕組みだという。せっかくだから通ってみようとしたが、晴天なのに奥側は閉じたままだった。

 那智勝浦町によると、トンネルは地元の生活道路として使われていたが、近年迂回(うかい)路が整備され、閉じたという。この先に目的地があるわけではないけど、全国的にも珍しいトンネルだというから、一度は通ってみたかった。
(喜田義人)