和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

マツタケ不作でがっかり 和歌山県南部、少雨など影響か

農産物直売所にわずかに並んだマツタケ(和歌山県田辺市上秋津で)
農産物直売所にわずかに並んだマツタケ(和歌山県田辺市上秋津で)
 和歌山県紀南地方で今年はこれまでのところ、秋の味覚マツタケが不作となり、関係者や消費者は落胆している。雨の少なさや気温が高かったことが影響したとみられる。例年だと、時季的にほぼ終盤を迎えているという。


 田辺市上秋津の農産物直売所「きてら」には高尾山やその近辺で採れたマツタケが入荷するが、関係者が「今年は近年にない凶作」というほど採れていない。

 例年多い時には、1日に100~150本が入荷する日もあるが、今年は10月上旬の出始めの頃に多い日でも20~30本程度で、その後もほとんど採れなくなったという。

 最近では20日に10本ほど販売して以来入荷はなく、27日朝もマツタケ目当ての客が何人か訪れたが、店員からないことを聞くと、残念そうに帰った。同日採取に行った関係者も「小さいのも出ていなかった」とがっかりした様子だった。

 レストランや宿泊棟を備える地元の「秋津野ガルテン」では例年この時季、「まつたけ御膳」などを提供して人気だが、今年はマツタケがないため、メニューの提供を断念した。代わりにかんきつのシャンプーやトリートメントのプレゼント付きの「お得な宿泊プラン」を企画したという。

 市内の南紀田辺地方卸売市場・田辺中央青果によると、10月の入荷量は昨年と比べて6割減という。同青果は「今年は出始めが早かったが、雨が降らなかったり、気温が高かったりしたのが響いて、生えてこなかったのだろう」と話している。