和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

印南にもアサギマダラ 元切目神社境内で飛び交う

公園の一角で満開になったフジバカマと「ふるさとの昔を学ぶ会」の寺下鎮雄会長(和歌山県印南町西ノ地で)=円内は花に止まったアサギマダラ
公園の一角で満開になったフジバカマと「ふるさとの昔を学ぶ会」の寺下鎮雄会長(和歌山県印南町西ノ地で)=円内は花に止まったアサギマダラ
 和歌山県印南町西ノ地、切目神社そばにある「切目懐紙なぎの里公園」で、海を渡るチョウとして知られるアサギマダラ(タテハチョウ科)が飛び交っている。今季は例年に比べ飛来数が多いため、遠方から写真愛好者が足を運ぶなどにぎわっている。

 公園は、地元住民でつくる「ふるさとの昔を学ぶ会」(寺下鎮雄会長)が、かつて神社の境内だった場所に植物を植えて整備。さまざまな木や花があるが、アサギマダラの集まる場所にもしたいと、一角にアサギマダラが好むフジバカマ(キク科)を植えている。

 今季は、急に気温が下がった10月中旬からアサギマダラが見られるようになったという。晴れた日の日中には、蜜を吸っては花を行き来しながら飛び交っている。昨年は花の数が少なかったためかアサギマダラも少なかったが、今季はここ5年で最も多いという。

 にぎやかな様子を知った近隣住民らが連日公園を訪れ、その光景を楽しんでいる。写真愛好者も和歌山市などから訪れ、カメラを構えてベストショットを狙い、長時間撮影を楽しんでいる。地元にある切目小学校の児童たちも訪れ、観察記録を付けて動植物に親しんでいる。

 寺下会長は、フジバカマがなるべくたくさん花を咲かせるよう、枯れた後に根を掘って場所を移し替えるなど工夫しているといい「和歌山にもアサギマダラが見られる場所が数々あるが、新たな観賞スポットとして定着していってくれればうれしい」と話している。

 アサギマダラの飛来は、11月上旬ごろまで見られるだろうという。一日のうちでも、風がなく気温が高い日中によく見られる。