和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月27日(水)

ニホンミツバチの「蜜切り」作業始まる

「ゴーラ」の中から蜜がしたたる巣を取り出す養蜂家(22日、和歌山県串本町内で)
「ゴーラ」の中から蜜がしたたる巣を取り出す養蜂家(22日、和歌山県串本町内で)
 梅雨明けの夏空が続く中、和歌山県紀南地方で「ゴーラ」と呼ばれるニホンミツバチの巣箱から蜜を採取する「蜜切り」作業が始まった。22日から今年の蜜切りを始めた古座川町の養蜂家は「ニホンミツバチの蜜は風味が良く、夏バテ予防にもなる」と今年の初採蜜に笑顔。採取した蜜は自家消費する人が多いが、地域の道の駅などでも販売されている。

 野生種であるニホンミツバチは、一般的な養蜂で利用されるセイヨウミツバチと比べて体が一回り小さい。木の洞に営巣するニホンミツバチの習性を利用したゴーラは、スギの丸太をくりぬいて作った高さ45センチほどの巣箱で、紀南地方ではあちらこちらで見ることができる。

 ニホンミツバチの養蜂を30年ほど続けているという古座川町高池の橋本尚視さん(69)によると、新緑の季節に巣分かれしたハチの群れをゴーラに呼び込み、そのハチが集めた蜜を翌年の夏に採取。切り取った巣からしたたり落ちる蜜をざるなどでこし、数日置いて浮いてきた不純物を取り除いて瓶詰めする。多いものだと一つのゴーラから、一升瓶3~4本分ほどの蜜が取れるという。

 橋本さんは串本町や古座川町などにゴーラを置いており、いとこの橋本幸明さん(73)=串本町=と一緒に22日、蜜切りの作業を始めた。ハチを傷つけないようゴーラをたたくなどして追い出し、幼虫やサナギがいる部分は残し、蜜がしたたる巣を切り取って持ち帰った。

 橋本さんは「長年やっているが、野生のものなのでゴーラに入ってくれるか、蜜をちゃんと集めてくれるかどうかはミツバチ次第なのが、難しくて面白いところ」。幸明さんも「ニホンミツバチの蜜を食べると元気になる。作業は大変だが、毎年楽しみ」と話していた。作業は9月上旬まで続く見通しという。