和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

地元の魚食べてほしい 神島高校が水産業で商品開発へ

マダイを三枚におろす神島高校の生徒(和歌山県田辺市文里2丁目で)
マダイを三枚におろす神島高校の生徒(和歌山県田辺市文里2丁目で)
 地域の特産品を生かした商品開発などに取り組む神島高校(和歌山県田辺市文里2丁目)の経営科学科3年生23人が、地元の魚を使った商品開発に取り組む。若い世代の魚離れが進む中、高校生のアイデアで水産業の課題に挑む。


 同学科では業界の最前線に立つ地域の人材を講師に、地域課題を考えてきた。本年度は第1次産業に着目し、各業界の現状を学びながら、課題解決への貢献を目指す。農業と林業はこれまでも取り組んできたが、水産業は初めて。

 7日に「とれとれ市場」などを運営する堅田漁協(白浜町堅田)の職員を講師に、水産業の現状やマダイ養殖の魅力について講義を受けた後、生徒はマダイをさばき、刺し身にするまでを実習した。

 魚に触ること自体が初めての生徒もいたが、漁協職員の助言を受けながら頭を切り落とし、三枚におろした。尾の付け根を押さえ、皮を引いて刺し身用の節を仕上げるころには包丁の扱いにも慣れ「プロ並み」と講師も驚くほど、上達した生徒もいた。

 実習の後は、堅田漁協が用意した釜飯やかぶと煮などマダイの料理を試食した。

 初めて魚をさばいたという吉田華周君は「難しかったけど、こつがつかめてきた。普段、魚はあまり食べないけれど、刺し身はおいしかった。魚に触れる体験をすると見る目が変わる」と魚の調理に興味津々。安達果穂さんは「いろんな料理がどれもおいしかった。食べてさえもらえれば、良さは伝わる。パスタに加えるなど、食べてもらうきっかけを考えたい」と話した。

 堅田漁協の﨑山雅央さんは「水産業に興味を持ってもらえたらうれしい。おいしく食べてもらえたのが一番の成果。養殖の餌やりなども体験してもらいたい。高校生の柔軟な発想で、若者も食べたくなるメニューを一緒に開発できればいい」と期待している。