和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

全県民に外出自粛を要請 和歌山県知事「異常事態と理解を」

和歌山県全域に不要不急の外出自粛を求める仁坂吉伸知事(21日、和歌山県庁で)
和歌山県全域に不要不急の外出自粛を求める仁坂吉伸知事(21日、和歌山県庁で)
 和歌山県は21日、県内での新型コロナウイルス感染者の急増を受け、全県民に不要不急の外出を自粛するよう要請した。仁坂吉伸知事は定例記者会見で「保健医療行政だけでは対応できず、県民に全面的に協力をお願いする。和歌山県としては異常な事態と分かってほしい。これまでこのようなお願いはしないで済んでいたが、無理です。ごめんなさい。やってください」と強く訴えた。期間は5月9日まで。

 県は14~25日の予定で、特に感染者が集中していた紀北地域の5市4町の住民に、不要不急の外出を控えるよう求めていた。

 しかし、その後も感染が拡大。仁坂知事は「変異株の感染力は想像を絶するものがある。25日までに収束すると到底思えなくなった。田辺や御坊(保健所管内)にも感染が広がりつつあるのは明らか」とし、外出自粛要請を県全域に拡大し、期間も大型連休明けまでに延長した。

 県民の外出自粛のほか、内閣府からの要請を受け「感染防止策の徹底されないイベントの延期や自粛、大規模集客施設や小売店の催し物やバーゲンなどは延期や自粛」も求めた。県外からの来県自粛については「それぞれの都道府県が、都道府県民に対して(外出自粛要請を)やるべきことだ」と話した。

 緊急事態宣言発令の要請については、現時点ではそのレベルではないとした上で「明日、あさってはどうなるか分からない。大阪のような事態になったら、当然そうせざるを得ない。感染が広がれば、あらゆる手段は否定できるものではない」とした。

 病床使用率が9割近い状態について、知事は「もう少し病床を増やそうと努力しているが、いずれはホテルを使わざるを得ない。入院後に回復傾向にある人はホテルに入ってもらうようにしたい。全員入院は堅持するよう頑張る」と宿泊施設の利用も検討しているとした。